徳島はこの一戦が天皇杯初戦となる。現状を見ていくと、今季の徳島は明治安田J2リーグを主戦場としているが、JリーグYBCルヴァンカップにも参戦。その影響で開幕から過密日程が続いており、この天皇杯2回戦も公式戦でいうと7連戦の6試合目にあたる。また、リーグ戦ではアウェイ連戦を終えたばかりで、コンディション面が危惧される。直近の第19節・琉球戦がナイトゲーム開催だったため、この試合の2日前に沖縄県から徳島県へ移動し、夕方頃にクラブハウスへ到着というスケジュール。実質、試合前日しか準備期間がない。
それらを総合すると、この試合で起用される徳島側のメンバーはフレッシュな面子で構成されることが濃厚。もう少し具体的にメンバーを見ていくと、高卒ルーキーの玄 理吾やオリオラ サンデー、徳島県出身の西野 太陽や藤原 志龍、負傷離脱から復帰してきた長谷川 雄志や田向 泰輝といった選手が陣容に名を連ねる可能性が高い。
対する福山シティFCは、一昨年度から3年連続で天皇杯を勝ち上がるなど、着実に力をつけ始めているダークホース。特に一昨年の初登場はセンセーショナルだった。新型コロナウイルス感染症の影響でイレギュラーではあったが準々決勝まで勝ち上がった。
また、例年どおりのレギュレーションに戻った昨年も、1回戦でJFL所属の松江シティFC(現・FC神楽しまね)を2-1で下し、2回戦ではJ1の清水と対戦。最終的に清水が90+2分に原 輝綺の決勝弾で競り勝つ結果にはなったが福山シティFCの指揮官が、「攻守において主導権を握るという意味では、相手のやりたいことをさせずに、自分たちがやりたいように攻撃するというところでは、自分たちの思いどおりのゲームができたと思っています」(小谷野 拓夢監督)とコメントし、対戦したロティーナ監督(現・神戸監督)に、「試合前から彼らの試合を分析して、難しい試合になるというのは分かっていました」、「彼らは後ろでポジションを取って、人数をかけてパスをつないでくるので、ボールを奪うのが難しい状況になる」とコメントさせるなど最後まで清水を苦しめた。
今年度は天皇杯1回戦で徳島県代表のFC徳島と対戦し、激闘の末に3-2で下して2回戦まで勝ち上がってきた。くしくも2試合連続で徳島県勢との対戦となる福山シティFC。目標には「Jクラブに2回勝利してラウンド16進出」を掲げており、天皇杯2回戦で徳島に勝利して台風の目になることができるかどうか。
徳島はリーグ戦からメンバーを大幅に変更した中でも、Jクラブとしての総合力を表現して勝利を目指し、福山シティFCはそのバイタリティを持ってJクラブから初勝利を目指す。
[ 文:柏原 敏 ]


