今回は、山形にとっては開幕戦のリベンジを、群馬にとっては対山形戦の連勝を狙う一戦になるが、ともに直近のリーグ戦から中2日。5連戦の4戦目という状況から推測すれば、互いに大幅なメンバー変更があっても不思議ではない。その中で、メンバーが替わってもチームのコンセプトをしっかり打ち出せるか、その中で新たにチャンスを生かす選手が登場するかが注目される。
山形は1999年度の第79回大会でチーム初のベスト8進出を果たしており、群馬の初、そして唯一のベスト8進出は第84回大会。くしくもともに植木 繁晴監督がチームを率いての快挙だった。群馬の場合は、当時「ザスパ草津」のチーム名でJFLからJ2への昇格を果たし、その勢いで臨んだ大会だった。4回戦でC大阪を破ったが、インパクトがあったのはラウンド16の横浜FM戦。J1年間チャンピオンの横浜FMを、延長Vゴールで破る劇的なジャイアントキリングだった。その横浜FMが4回戦で破ったのが山形だったというちょっとしたつながりもある。
山形は初のベスト8以降、第90回、第94回、第98回と三度「ベスト8以上」の成績を残している。そのうち、第94回大会はファイナルの舞台を経験。勝ち上がりで対戦したJ1クラブはラウンド16の鳥栖のみだったが、3冠達成を目指すG大阪と日本一を懸けて頂上で対戦するという得難い経験をした。この天皇杯の準決勝、決勝と同時並行で行われていたのがJ1参入プレーオフ。準決勝・磐田戦ではGK山岸 範宏のアディショナルタイム決勝ゴールという劇的過ぎる勝ち上がり。決勝は天皇杯準決勝で対戦したばかりの千葉との顔合わせとなったが、勝ってJ1昇格も達成。クラブ史でもっともインパクトのあるシーズンとなった。第98回大会ではベスト4に進出。準決勝では敗れたが、仙台との“みちのくダービー”が実現した。
天皇杯でクラブ最高の成績を収めることが目標になるが、勝ってリーグ戦での起爆剤としたい思いもあるだろう。山形は9戦負けなしが続いていたが、前節・新潟戦では0-3と10試合ぶりの敗戦となった。「完敗」と口にする選手も多い厳しい内容だっただけに、この天皇杯も含めてリバウンドメンタリティーを発揮したいところ。群馬は前節、大分に0-1で敗れ今季初の3連敗を喫した。降格圏との差はまだあるが、順位は前節に続き今季最低の17位。天皇杯で結果を出すことで、正念場で迎えるリーグ戦に良い影響を期待したい。
[ 文:佐藤 円 ]
