6月1日に行われた2回戦で、大宮は同じくJ2の琉球とアウェイで対戦。相馬 直樹監督が就任してから間もないこともあり、戦術の浸透やチーム構成で心配された部分もあったが、ピッチに送り出された選手たちが躍動した。キックオフ早々に富山 貴光が先制ゴールを突き刺すと、昨季半年間所属していた相手との古巣対戦となった武田 英寿が追加点。その後、菊地 俊介もゴールを決め、前半だけで3点をリードする一方的な展開に持ち込んだ。後半は1点を返されるも、武田が2点目をマーク。リーグ戦から大幅にメンバーを入れ替えて戦った中で完勝を収め、相馬監督にとって就任後公式戦初白星となった。
そして迎える3回戦の相手は鹿島。相馬監督からすれば現役時代長きにわたり深紅のユニフォームを着てプレーしただけでなく、2020年からはコーチを務め、2021年途中から指揮を執った縁深きクラブ。こんなに早いタイミングで古巣戦が実現するとは誰もが思っていなかったところであるが、自然と注目は集まる。5月末に大宮の指揮官の座に就き、その直後に鹿島と対戦する可能性を問われた際は「まったく気にしていない」と答えていたが、実際、対戦が実現するとなれば、燃えているに違いない。普段の練習から熱量高くチームを変えようと試みている指揮官の成果を試すことができる絶好の機会。常勝軍団相手に全力でぶつかりたい。
一方、鹿島は2回戦で新潟県代表の新潟医療福祉大と対戦した。前半はチャンスを作るが決め切れず、反対にあわやの場面も作られたが、スコアレスで折り返すと、後半にゲームが動いた。先発起用された染野 唯月と、途中出場の和泉 竜司が立て続けにゴール。終盤に1点を返され、決して盤石な試合運びで勝ち切る展開とはならなかったが、順当に3回戦にコマを進めた。
鹿島からしても、相馬監督の指導を受けていた選手たちは多くおり、かつての指揮官との対戦に燃えていることは間違いない。カテゴリー上は挑戦を受ける立場となるが、油断やスキを見せることなく、地力の差を見せつけたいところである。
前半戦を終えた段階の明治安田J1で首位と勝点差1の2位につけている鹿島と、後半戦に突入したタイミングのJ2で残留圏ギリギリの20位に沈んでいる大宮。その状況を見れば大きな差があることは一目瞭然だが、一発勝負の戦いは何が起きるか分からないことが最大の魅力。
2回戦ではジャイアントキリングが起こらなかったが、大宮が下克上を起こすのか。それとも鹿島が危なげなく押し切るのか。いろいろな因縁が渦巻くカードなだけに楽しみな一戦となりそうだ。
[ 文:須賀 大輔 ]

