栃木は天皇杯初戦となった2回戦で、同じJ2の岡山と対戦し、1-0で勝利した。直前のリーグ戦からスタメンを全員入れ替えて臨んだ試合だったが、メンバーが入れ替わっても栃木らしいチーム一体となったアグレッシブな守備が機能。ハイプレスから相手を押し込むと多数のチャンスを作り出し、87分にトカチが決勝ゴールを決め切って僅差勝負をモノにした。
今季の栃木は明治安田J2において、第22節終了時点で23失点と守備は堅調さを維持している。一方、得点数はリーグワーストと、思うように積み上げられていない。しかし、直近5試合に目を向ければ、5得点と改善の兆しは見えている。矢野 貴章の5得点を筆頭にカルロス グティエレスが3得点と続くが、おそらく3回戦も直近のリーグ戦からある程度メンバーを入れ替えて臨むことが予想され、リーグ戦で試合出場のチャンスや結果をつかめていない選手たちの活躍が期待される。
リーグ前節・大分戦では湘南から育成型期限付き移籍で加入したばかりの根本 凌が、終了間際の劇的な同点弾で力を示した。時崎 悠監督は「ベンチに入りながら試合に出られなかった選手、スタンド席から見届けた選手たちにも良い刺激になったと思う」と話し、彼らがこの天皇杯で奮起することを暗に促していた。
昨年は同じ3回戦でカンセキスタジアムとちぎに鹿島を迎え、堅い守備で粘りの戦いを見せたものの、試合終盤に3失点を喫して敗れ去った。同じJ1勢との戦いは相手にボールを支配される時間が長くなると見られるが、守備からリズムを作るスタイルの栃木としては、ボールを保持する相手が攻めあぐねる展開に持ち込めればベスト。鋭いカウンターやリスタートのチャンスを虎視眈々と待ち、勝利につながるゴールをもぎ取りたい。
その栃木と対峙するのは、J1で首位に立つ横浜FM。リーグ戦では3連勝中であり、好調を維持したまま迎える天皇杯3回戦となる。
昨年は初陣となった2回戦でJFLのHonda FCと対峙し、2-2のまま突入したPK戦の末に苦杯をなめたが、今年の初陣となった2回戦では同じくJFLに所属する鈴鹿ポイントゲッターズを3-0で一蹴した。直前のリーグ戦からスタメンを6人変更して臨んだ試合だったが、西村 拓真の先制点を皮切りに、後半には小池 裕太とレオ セアラが追加点を奪って、粘る相手を振り切った。
3回戦で対峙する栃木は組織的な守備を持ち味とするチームであり、できるだけ守りのリズムを作らせたくない。ポイントになりそうなのは、2回戦の鈴鹿ポイントゲッターズ戦と同様に、いかに早い時間帯に先手をとれるかだろう。堅く進めたい相手の出はなをくじき、余裕を持ってゲームを進めたいところだ。
横浜FMが今大会で目指すのは頂点だが、天皇杯を掲げたのは2013年度大会が最後となる。首位を快走するリーグ戦の流れを今大会にもつなげ、相手に波乱を起こさせることなく着実に勝ち上がりたい。
[ 文:鈴木 康浩 ]

