甲府はリーグ戦で3連敗のあと、リーグ前節・秋田戦を3-1で制して4試合ぶりの勝利。この流れを天皇杯につなぎたい。吉田 達磨監督は直前の秋田戦をこう振り返る。「3連敗していて前節(リーグ前々節・仙台戦)は恥ずかしいというか、プロとしてピッチに立つ中であってはならない試合をしてしまった。フルファイトして負けた試合じゃなく、走れなかった。その次の試合である秋田戦でも変わらず応援してもらいました。ファン・サポーターの皆さんに気持ちよく帰っていただけたことで安心するし、良かったと思います。試合は前節の反省、教訓で戦いにいく雰囲気があった。そこに選手がフォーカスしていた。自然と戦術的な良さも出たと思います」。そして、中2日で臨む天皇杯ラウンド16・鳥栖戦については、「天皇杯を戦えることは名誉で幸せ。中2日なのでリーグ戦とは別の試合になる。頭の中では9割メンバーは固まっている」と話しており、秋田戦から大幅に変更することは確実。
一方、鳥栖はクラブから7月に入り残念なリリースが続いた。2日にトップチームの選手2名が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けたと発表されると、4日には選手5名とスタッフ1名の陽性判定も発表され、6日までトップチームの活動を停止していた。さらに7日にも選手2名に陽性判定が出たことが発表されており、台所事情は厳しそう。甲府の吉田監督は「鳥栖のメンバー外の事情は分からないが、リーグ戦(リーグ前節・柏戦)を見ればしっかりしたメンバーで戦っていた。ただ、天皇杯は相手がどんなメンバーになるのかは読めない」と話しており、お互いにフレッシュなメンバーがフレッシュな組み合わせでプレーすることになりそう。
ホームスタジアムで戦うことができる甲府からすれば、鳥栖の選手の中で堀米 勇輝にはぜひともメンバー入りして山梨に帰ってきてほしい。甲府のアカデミー育ちの堀米がプレーする姿を見たいファン・サポーターや関係者は大勢いるし、堀米の家族にとって地元で息子のプレーを見ることができる久しぶりのチャンス。堀米にとっても子どもの頃から”小瀬”という名前で親しんできたJIT リサイクルインク スタジアム(ネーミングライツがついた現在の呼び名)に凱旋することは楽しみなはず。
甲府としては、3回戦・札幌戦に続くJ1勢撃破を果たしてベスト8入りを目指しているが、札幌戦で2ゴールを挙げてチームを勝たせた三平 和司がケガで離脱しており、誰が1トップに入るかが注目される。その一番手として予想されるのは、堀米同様に甲府アカデミー育ちの高校3年生FW内藤 大和。2回戦・環太平洋大戦で2ゴールを挙げて5-1の勝利に貢献している選手だが、リーグ戦で出場のチャンスをつかめていないだけに、渇望感は相当なもの。その渇望感をプラスのエネルギーに変えて、堀米先輩のいる鳥栖からチームを勝たせるゴールを決められるか。甲府の“近未来エース”のプレーに注目したい。
[ 文:マツオ ジュン ]
