宮崎にとっては3回目となる本戦出場だが、初めて県予選を突破した2018年から今年まで、県予選決勝の相手はすべてホンダロックSC(今年からミネベアミツミFC)であった。宮崎のJFL時代から、同県のライバルとしてしのぎを削り合ってきた両チーム。雨の決勝戦はどちらも落とせない一戦となった。
松田 浩監督の選んだ先発メンバーは、攻撃陣こそほぼ主力だが、中盤より下は主将の代 健司、石井 健太、田中 純平など、今季のリーグ戦では出場機会が少ない、あるいは出場していない選手たちだった。
試合が動いたのは15分。CKを得た宮崎は、山崎 亮平が蹴ったボールに代が頭で合わせ、先制に成功する。試合後、代は「サインとは違うボールが来たが、うまく反応できた」と語っていたが、Jクラブとなってから初の本戦出場に向けて、幸先の良いスタートとなった。
その後は、こう着した状況が長く続く。所属するリーグでは得点力不足が課題となっている両チーム。互いに良い攻撃は見せるものの、決定的なシーンを作り出すまでには至らず、1-0のまま時間は過ぎていく。そしてそのままスコアは動かずに試合終了。宮崎にとっては、Jリーグ参入後二度にわたって本戦出場を阻まれた因縁の相手に対し、“三度目の正直”を果たすこととなった。
一方、熊本県予選決勝は、前回予選の王者・マリーゴールド熊本と東海大熊本の顔合わせとなった。マリーゴールド熊本は昨年、決勝で熊本学園大をPK戦の末にしりぞけ、初の本戦出場を果たしている。対する東海大熊本は前回の予選準決勝でマリーゴールド熊本と相まみえ、敗戦を喫していた。
試合はマリーゴールド熊本が前半のうちに先制し、県予選2連覇に向けて一歩リードする。しかし後半、東海大熊本の豊島 海斗が同点ゴールを奪取。そのまま延長戦に入ると、延長前半、再び豊島がゴールを決めて東海大熊本が逆転に成功。その後はマリーゴールド熊本にゴールを許さず、2018年以来となる県代表の座を射止めた。
いよいよ始まる天皇杯1回戦。大学チームである東海大熊本が、Jクラブである宮崎の胸を借りる形だが、ジャイアントキリングを果たしたい思いは強いはず。ここで勝って、月末から始まる九州大学リーグ2部にも勢いを持って臨みたい。初めてJクラブとして本戦に出場する宮崎としては、プライドを持って勝ちにいきたい。2回戦で待つJ1鳥栖への挑戦権を得るのは、果たしてどちらのチームか。南国・九州での熱い戦いに期待したい。
[ 文:高浜 確也 ]


