2年連続14回目の出場となる奈良は、奈良県予選には決勝のみ出場。雨天の中で行われた試合は、美濃部 直彦監督率いる飛鳥FCの5バックでの守備に前半は思うように好機を作り出せなかったものの、77分に公式戦初出場だった髙橋 隆大のミドルシュートで先制。終盤は4バックに変更した飛鳥FCとの攻守の切り替わりが激しい展開を無失点のまま1-0で終え、本大会出場を決めた。
奈良は中3日の3連戦のラストゲームとして飛鳥FC戦を迎え、上位を争うリーグ戦とは異なるメンバー編成で臨んでいた。この試合が今季初先発だったキャプテンの小谷 祐喜は、「リーグ戦にいつも出場している選手たちが、この試合の出場メンバーを後押ししてくれた。チームが団結し、さらに1つになるきっかけとなった」と振り返っている。
アマチュアシードで静岡県予選を戦わず、本大会からの出場となるHonda FCは、チーム目標に『プロを超えるアマチュア』であることを掲げる。2019年大会ではJクラブを撃破して勝ち進んだ準々決勝で鹿島に0-1で惜敗したものの、その実力は世間に大きなインパクトを残した。イレギュラーなトーナメントとなった2020年大会にも、Jクラブが登場する準々決勝まで2年連続で勝ち進んでいる。
今季より小林 秀多監督が指揮を執り、JFLでは第8節までを終えて2勝4分2敗。まだ波に乗り切れていないが、JFLで9年連続ベストイレブンに名を連ねる鈴木 雄也を筆頭に、選手個々の状況判断も優れ、実力は十分にあるチーム。天皇杯でも勝利を重ね、JFLでの“常勝Honda”を取り戻すきっかけとしたい。
今季奈良に加入した堀内 颯人は昨季まで4シーズンHonda FCに在籍し、天皇杯8強入りにも貢献している。「自分が出場できるかはまだ分からないが」と前置きをしつつ、「Hondaが天皇杯に懸ける気持ちは強いので、自分たちが上のカテゴリーだと思えば、足元をすくわれる。どのチームが相手であろうと、自分たちが積み重ねているサッカーをする」と話している。
JFL勢同士の対戦だった前回大会の1回戦では、スコアレスのまま延長戦にもつれ込み、延長後半の120+2分に岡﨑 優希のゴールでHonda FCが勝利。シュート本数は奈良の4本に対し、Honda FCは22本と圧倒していた。今大会では奈良のJ参入に伴って、Jクラブとアマチュアクラブの構図に変化したが、奈良に油断はない。
2回戦で待つのは鹿島。いずれのチームにとっても、この天皇杯でしか戦うことができない上位カテゴリーのチーム。県立カシマサッカースタジアムへの切符を勝ち取るのは、Jクラブ・奈良か、はたまたアマチュアの雄・Honda FCか。21日(日)、13時にキックオフする。
[ 文:前田 カオリ ]


