その望月氏が創設したクラブは今年、株式会社ディー・エヌ・エーの連結子会社に。新たな体制となり、監督にはJリーグで初めて指揮を執る戸田 和幸氏を招聘した。選手も大幅に入れ替わり、大卒ルーキー9名や地域リーグでプレーしていた吉武 莉央や加藤 大育らJリーグでの実績のない選手が多く加わった。
新体制、Jリーグ1年目の監督、無名の新人たち……。まっさらな状態で、相模原というチームは個人、組織ともに大きくなろうとしている。
相模原は神奈川県予選決勝で同じJ3に所属するYS横浜に挑んだ。リーグ戦から中2日だったため、スタメン11人が総入れ替えとなった中で、2-0の勝利を収めた。
1点目は在籍3年目・安藤 翼のゴラッソだった。63分、左SBの綿引 康がプレスを掛けたところから攻撃がスタートすると、ボールを受けた前線の松澤 彰が浮いたボールを安藤に預ける。ゴールまでは30mほどあったが、安藤の美しく、強烈なドライブシュートがネットに突き刺さった。次のゴールは71分。こちらも高い位置でのプレスから始まり、ショートカウンターを仕掛け、最後は松澤がゴールを挙げた。
「結果だけでなく内容も含めて、今日出た選手が僕にとっては今日試合をする上でのベストメンバーだったので、全員それにしっかりと応えてくれた。自分自身を表現して、素晴らしいゴールを決めて勝ってくれた」 試合後、戸田監督は選手たちをそう称えた。「フィールドプレーヤーは24名で、わりと小さめのスカッドでやってきているので、トレーニングや練習試合で共有しているものが多い。みんな同じものの上で切磋琢磨してここまでやってきていたので、選手の迷いがなかった」と、誰が出ても取り組んでいることを表現できるチーム力を発揮した。YS横浜戦のメンバーには公式戦から遠のいていた選手もいたが、そうした選手の活躍がリーグ戦の主力へ刺激となり、トレーニングが活発化する。そうしてチーム力はさらに高まる。
1回戦の相手は武藤 真一監督率いる埼玉県代表の東京国際大FC。城西大と対戦した決勝は90分間で決着がつかず、延長後半に生まれた先制点を守り抜いて、1-0で勝利。埼玉県予選2連覇を達成し、本大会へとコマを進めた。
プロvs大学生という構図になる1回戦。相模原はまだまだ成長過程にあるチームだ。相手が学生だろうともチャレンジャー精神を持って臨み、勝利を目指すというマインドはどの試合でも同じはずだ。
勝利すれば、札幌が待つ2回戦へ進むことができる。自分たちの実力でJ1クラブへの挑戦権をつかむのはどちらか。
[ 文:舞野 隼大 ]
