琉球は昨年までJ2枠で天皇杯へ出場していたものの、J3降格に伴い、今年は本戦出場権を得るため沖縄県予選優勝のミッションが課せられた。決勝の相手は4年連続で天皇杯に出場していたJFLの沖縄SV。前半はスコアレスで推移したが、後半に入ると野田 隆之介と今季新加入の白井 陽斗がネットを揺さぶり、2-0で快勝。16度目の出場を決めた。
ただ、琉球は主戦場である明治安田J3でいま苦戦している。開幕2連勝と好スタートを見せたものの、その後は負けが先行。前節・鹿児島戦も0-2で敗れ、今季二度目の3連敗を喫した。第10節終了時点で3勝1分6敗と大きく負け越しており、フロントは今季就任した倉貫 一毅監督との契約を解除。昨季途中まで指揮を執った喜名 哲裕スポーツダイレクター補佐を暫定監督に置き、再スタートを切ることを決断した。
「去年もこういう状況があり、招いたのは選手の責任」と主将の野田はチームの声を代弁する。「良くも悪くもチームに緩さがあり、現実に勝てていないので決して良い雰囲気ではない。選手が気づいてやらないといけないこと、それを行動に移せるか。一人ひとりが変わる必要があるし、未来に関わること」と野田はチームの危機感を口にする。そして喜名監督代行は「規律や犠牲心などしっかりとした大枠を作った中で、いかに発想し、アクションできるか。面白いアイディアを出せる選手たちはそろっているし、それをピッチに出せるように仕向けたい。そして最後まで走り切ることであったり、球際での攻防といったサッカーの本質を見直して、琉球のサッカーとは、という原点をもう一度見つめ直す」と、ねじれた歪みを解きほぐすことに注力する考えを示した。早くも監督交代という劇薬を使用した琉球。天皇杯1回戦で巻き返しを決意したチームの変貌が明らかとなる。
対するは、中国リーグで戦う三菱水島FC。岡山県予選決勝では同リーグ所属のNTN岡山をPK戦の末に下し、本戦への切符を手にした。2009年以来のJFL返り咲きを目指す中、中国リーグでは第3節終了時点で1勝2分と無敗。さらに失点ゼロと持ち前の堅守は健在である。その上で宮澤 龍二、高瀬 翔太のベテラン勢やルーキーの綱島 絢士郎など、ゴールへの嗅覚を持つ選手もそろっている。得意のカウンターサッカーを武器に挑戦的なマインドで格上に挑むことだろう。
琉球がJFLに所属していたとき、三菱水島FCとは2006年から4シーズンにわたって8試合対戦歴があり、琉球の3勝4分1敗である。2009年以来の再戦となる今回、2回戦で待つ熊本への挑戦権を勝ち取るのはどちらか。
[ 文:仲本 兼進 ]
