2019年度大会では2回戦から札幌、徳島、浦和とJクラブを次々と撃破し、ベスト8に進出。準々決勝で鹿島と対戦するも、0-1で惜敗するという堂々たる戦いぶりだった。2020年度大会もベスト8に進出。このときはJクラブとの対戦は準々決勝までなかったものの、同じJFLのクラブや大学チームを寄せつけず、ベスト4進出を懸けた徳島戦に0-3で敗れた。2021年度大会は、2回戦でPK戦の末に横浜FMを破るも、3回戦で磐田に完敗。そして、前回大会は仙台の壁を越えられずに2回戦止まりだった。
ただ、Honda FCはこの天皇杯というタイトルを最も大切にしているクラブの1つだろう。今大会は1回戦でJ3奈良と対戦。昨年までJFLのライバル同士だった両チームは激しい試合を展開し、CKから川浪 龍平のヘディングシュートで先制したHonda FCが勝利をつかんだ。
「天皇杯を獲るというのは夢でもあるし、夢だけで終わらせないよう真剣に獲りにいく」 そう言うのは今季からチームを率いる小林 秀多監督。
「2019年にベスト4入りを前に越えることができなかった壁でした。鹿島さんを越えるために、リスペクトし過ぎることなく戦う姿勢を見せ、どこで上回るかを突き詰めてやっていきます」 強い意気込みで鹿島に挑む。
迎え撃つ形の鹿島は、中2日の連戦となり、リーグ戦から大きくメンバーを入れ替えるだろう。ただ、そこには昌子 源や土居 聖真、常本 佳吾やアルトゥール カイキなど、直近の明治安田J1第16節・浦和戦のベンチに入っていた実績のある選手たちが名を連ねるはず。中村 亮太朗や舩橋 佑など、出場機会に飢えている若手も多く、モチベーションは高い。
負傷から復帰し、浦和戦ではわずかな時間で鋭い突破を見せた藤井 智也もその1人だ。彼自身、立命館大時代に天皇杯で横浜FMとの対戦経験を持ち、相手の気持ちはよく分かっている。
「学生のときは『失うものはない』という感覚で挑むことができた。カテゴリーが下ということはまったく思わずに、いつもどおりの試合の位置づけと捉えてやることが大事だと思う。Hondaはやっぱり毎年天皇杯で何かしらJ1やJ2など、Jのカテゴリーのチームを破ってきているので、とても強い印象がありますし、大学の先輩も2人いるので、そういう意味でもやっぱり負けられない試合だなと思っています」 池松 大騎、清水 航輔は藤井にとって先輩。プロとして成長した姿を見せたいところだ。
鹿島とHonda FCは過去に四度天皇杯で対戦し、いずれも鹿島が勝利している。五度目の対戦はどのような結果となるだろうか。
[ 文:田中 滋 ]

