今季の神戸を振り返ると、リーグ戦では開幕以来、好調を維持している。昨季はJ1残留争いに巻き込まれる苦いシーズンとなったものの、シーズン途中から指揮を執った吉田 孝行監督の下、着実にチームとしての戦い方を整備。今季は開幕3連勝を挙げてスタートダッシュに成功するなど、常に高強度を維持したスタイルで攻守に盤石な戦いぶりを見せてきた。
リーグ前節は、アウェイでC大阪と対戦。関西を拠点とするチーム同士の戦いは一歩も引かない、白熱した攻防を繰り広げる。後半早々に先制点を奪われたものの、前線の選手たちが崩しを仕掛け、武藤 嘉紀のラストパスを受けた山口 蛍が巧みなターンから鮮やかに同点ゴールを挙げた。最終的に敗戦を喫したものの、チームとしての戦いぶりは変わらぬ熱量を宿す。リーグ後半戦へ向けても、チームの士気は高まるばかりの状況だ。
ただ、この天皇杯は難しいトーナメント戦。準々決勝まで進んだ前回大会は2回戦でJ3の富山と対戦し、前半のうちに2点をリードされる苦しい展開に陥る。61分に投入された大迫 勇也が反撃のゴールを70分に奪うと、土壇場の89分に佐々木 大樹が同点ゴール。さらにアディショナルタイムに大迫が再び決めて、劇的な勝利を飾った。また、J2山口と対戦した3回戦でも大苦戦。スコアレスで後半に突入すると、73分に先制を許してしまう。ホームスタジアムで粘り強い戦いを見せる相手の攻略に手を焼く中、84分に初瀬 亮が同点ゴールを奪うと、90分に酒井 高徳が決勝ゴールを決めて辛くも勝ち切った。
14日に行われる2回戦が難しいゲームになることは前回大会を振り返るだけでも容易に想像はつくが、悲願のクラブ初タイトルを獲得した2019年度大会の再現へ、着実な一歩を刻みたい初戦となる。
その相手となるのは、1回戦でAS.Laranja Kyotoを撃破した長野。過去にはJ1チームを含めて上のカテゴリーの相手を何度も破るなど、確かな実績を残しているチームだ。
昨季から指揮を執るシュタルフ 悠紀監督の下、明治安田J3では首位・富山を勝点差4で追走する6位につけている。戦い方の熟成度を高めながら、昇格へ向けて一丸となって挑んでいる。得点数はリーグ3位の『21』と高い攻撃力を誇り、前線からの積極的なプレスや3バックを軸とした堅いディフェンスに定評がある。リーグ戦は3連敗中で、リーグ前節・琉球戦から中2日での天皇杯ともなるだけに、メンバー編成はカギになりそう。18日に控えるリーグ次節・鹿児島戦へ向けてもはずみをつけたい一戦となる。
[ 文:小野 慶太 ]
