2016年に地元の2つのクラブが統合して誕生した高知ユナイテッドSCは、2020年にJFL昇格を果たした。2020年は14位、21年は13位、昨年は11位と着実に力をつけている。今季もJ3クラブライセンスを申請済みで、優勝での自動昇格、2位に入ってJ3・JFL入れ替え戦での昇格を目指している。現在11位だが、今季のJFLは前半戦を終えた段階で1位から12位までの勝点差が『6』しかない団子状態で、まだまだ優勝争いに絡んでいける状況だ。
3バックをベースとし、南国のチームらしい走力を武器に、最終ラインを高く保って前線からのプレスとショートカウンターが特徴。14試合で11失点と非常に守備が堅い。課題は決定力だが、直近の第15節ではクリアソン新宿に1-0で勝利している。
天皇杯2回戦ではJ1G大阪から前半にカウンターで2得点を奪い、後半に外国籍選手ら主力を投入してきた相手の反撃を1点に抑えて、ジャイアントキリングを達成した。JFLは15チーム構成で毎週1チームは試合がなく、今週末は高知ユナイテッドSCがそれに当たっているため、心置きなく主力を投入できる状況。念願のJリーグ入りへ、勢いをつけるために再びのジャイアントキリングを狙っている。
一方の横浜FCは、明治安田J1で17位と残留争いの渦中にいる。今季は開幕から4バックで攻撃的なスタイルを目指したが、10試合勝ちなしで、失点は『27』を数えた。第11節・新潟戦から3バックに変更して守りを固めてカウンターのスタイルに舵を切り、そこからの4試合で3勝を挙げて立て直した。しかし、第15節以降は再び勝星から遠ざかっており、直近の第20節では川崎Fに0-3と大敗を喫した。
週末にはリーグ戦中断前の最終戦となるアウェイでのリーグ次節・広島戦が控えるだけに、2回戦同様にこの3回戦でも完全ターンオーバーが予想される。その2回戦はJ3岩手を4-1で退けたが、ボールを保持しようとして中盤で奪われて先制を許した。しかしセットプレーから、35分に同点、68分に逆転のゴールを奪い、終盤に立て続けに得点を奪い、突き放した。カテゴリーが下の相手ではあったが、決してスコアほどラクなゲームではなかった。
カテゴリーが2つ、3つ違う相手との戦いになると、自然と上位カテゴリーのチームがボールを握りがちになる。しかしそれは、高知ユナイテッドSCが持ち味を発揮しやすい展開になるということ。2回戦のように横浜FCが先に失点するようだと、高知ユナイテッドSCとしては再びのジャイアントキリングも十分に起こり得る。しかも、JFLで毎週のように公式戦に出ている主力と、J1で試合にあまり出られていない選手であれば、そのカテゴリーの差がそのまま11人の実力差に反映されるとは限らない。
また、会場は高知ユナイテッドSCのホームで、この時期は高温の上に湿度も高く、夜でも立っているだけで汗がふき出るほどの暑さだ。地元であり、しかもJFLは夏場でも昼や夕方に試合をすることも多く、高知ユナイテッドSCにとってそのアドバンテージは計り知れない。横浜FCにとってはその暑さとともに、下位カテゴリーとの対戦特有の難しさをはねのけられるかがポイントとなるだろう。
[ 文:芥川 和久 ]
