栃木は初陣となった2回戦で同じJ2の秋田と対戦し、2-1で勝利した。リーグ前節・藤枝戦からスタメンを大幅に入れ替えて臨んだ試合だったが、髙萩 洋次郎らベテランの選手たちも含め、球際やセカンドボール争い、切り替えの早さで秋田に対抗してペースをつかんでいった。そして、19分に大島 康樹のゴールで先制すると、後半に追いつかれたものの、84分に途中出場の根本 凌が決勝ゴールを決め切り、粘り勝ち。3回戦進出を決めた。
今季の栃木も例年どおり、明治安田J2第25節終了時点で27失点と堅調な守備は維持しており、20位に低迷しているものの、上位や下位にかかわらずロースコアのゲームに持ち込む戦いをできている。
直近の第25節・仙台戦ではアカデミー出身の生え抜き・小堀 空が前線の起爆剤となっており、攻守にフル稼働しながらフルタイムを戦い切った。今季の小堀はリーグ戦で出場機会に恵まれない選手の1人だったが、天皇杯2回戦の出場チャンスを生かしながら徐々に調子を上げてきた。そういう選手が出てくることも天皇杯の醍醐味だろう。
栃木は前回大会の3回戦でカンセキスタジアムとちぎにJ1横浜FMを迎え、アグレッシブなハイプレスを仕掛けながら対抗。GK藤田 和輝の再三の好セーブも飛び出し、その上で2ゴールを奪ってJ1チームを撃破した。今年も当然狙うのは、アップセットだ。リーグ戦同様にアグレッシブな戦いを貫き、広島に牙を剥くことだろう。
前回大会で準優勝だった広島はリーグ前節、ホームで鹿島に引き分け、3連敗という悪しき流れを食い止めた。J1第20節終了時点で7位につけている。ただし、この鹿島戦の直前には体調不良の選手たちが続出し、練習を中止する事態になった。鹿島戦はこの影響からミヒャエル スキッベ監督も不在となったが、この3回戦に向けて、どの程度の選手たちが快復しているのかも気になるポイントだろう。
メンバーを大幅に入れ替えて臨んだ2回戦・FC徳島戦は23本のシュートを放ち、終わってみれば5-0。ここまでのリーグ戦で出場時間が限られている松本 大弥や松本 泰志、中野 就斗にゴールが生まれるなど、J1チームの力を示して危なげなく初陣を突破した。
前回大会における勝ち上がりを見ると、3回戦で当時J2の横浜FC、ラウンド16でJ2の群馬、準々決勝でJ1のC大阪、準決勝でJ1の京都を撃破し、ファイナルへとコマを進めた。だが、ファイナルではJ2の甲府にPK戦の末に苦杯を喫しており、「今年こそ頂点を」との思いだろう。
栃木はアグレッシブなハイプレスが持ち味で、広島相手にも果敢な姿勢を押し出してくると見られる。広島がいかに栃木のプレスをいなし、背後を突きながら攻撃のリズムを作っていけるかが1つのポイントになりそうだ。
[ 文:鈴木 康浩 ]

