2019年当時はJ2に所属していた両チーム。最後の対戦は第27節で岐阜のホームゲームだった。結果は2-0で福岡の完勝。そして、岐阜はその年にJ3降格という憂き目に遭い、現在もJ3での戦いを強いられている。
それとは対照的に、福岡は2021年にJ1へ昇格。今季もトップカテゴリーで奮闘を続けている。前回対戦以降、明暗が分かれている両者だが、再会の舞台は一発勝負の天皇杯。カテゴリーに関係なく、いま自分たちが持っている力をぶつけ合うだろう。
J1で12位の福岡は、8日に札幌と対戦。逆転勝利を収め、連勝を達成した。それから中3日での連戦。夏場ということも考慮して、大幅なメンバー変更をすることも考えられる。
その中で注目すべきは、山岸 祐也だ。昨季J1で10得点、今季ここまで7得点を挙げている福岡が誇るストライカーは、2018年から1年半岐阜に在籍していた。前述の札幌戦で84分間プレーしていることから、今回の出場機会があるかは不明だが、登場すれば古巣サポーターから温かい拍手が送られることだろう。
一方の岐阜は、2回戦で清水を延長戦の末に破った勢いそのままに、今回もジャイアントキリングを狙う。上野 優作監督を招聘した今季、序盤はつまずきもあったが、チームは順調に階段を上がっている。
しかし、直近のJ3第17節では奈良に0-1で敗戦。終盤に決定機を作ったが仕留め切れず、ラストプレーでミスから失点を喫し、公式戦無敗記録が『9』で止まってしまった。劇的な敗戦直後はさすがにひざをつく選手も現れたが、宇賀神 友弥は「選手たちからは前向きな言葉も出ている」と切り替えを強調するコメントを試合後に残した。ここまでの積み上げを無駄にしないためにも、格上相手ながらリバウンドメンタリティーが問われる一戦になる。
そんな岐阜は大幅なターンオーバーを実行し、2回戦で清水を破ったメンバーが中心となるはずだ。もちろん連戦を考慮しての策だが、出場機会が限られた選手たちで結果を残した清水戦での成功体験を胸に臨む。
注目選手はボランチの北 龍磨。今季から岐阜にやってきた25歳はここまでリーグ戦12試合に出場しているが、そのほとんどが途中出場。庄司 悦大、柏木 陽介、生地 慶充ら強力なボランチ陣を前に、限定的なプレータイムしか得られていないが、清水戦では先発し、堂々たる躍動ぶりで決勝点を奪ってみせた。
得意の右足から繰り出されるサイドチェンジやミドルシュートは大きな魅力。必死なアピールを続けているだけに、もう1つ結果を残して上野監督を悩ませたい。
[ 文:斎藤 弦 ]
