明治安田J1で11位につけるFC東京は、2回戦でJ3福島と対戦した。直近のリーグ戦からメンバーを大幅に入れ替えた中で、カテゴリーが2つ下の相手に先制を許す展開となったが、前半のうちに塚川 孝輝とアダイウトンのゴールでひっくり返すと、後半に松木 玖生が味の素スタジアムでの初ゴールを決め、3-1で勝利。3回戦へコマを進めた。
そこからチームは監督交代を決断した。当時、指揮を執っていたアルベル前監督がチームを去り、6月16日にピーター クラモフスキー氏が監督に就任。この3回戦は新体制で挑むこととなる。オーストラリア国籍の新指揮官は落ち着いた口調ながら熱く意気込みを語った。
「このダービーが特別な一戦であることは分かっていますし、サポーターにとってダービーがどんな意味を持つかも理解しています。言葉では説明し切れない感情がフットボールにはあり、それも大事な要素の1つです。その情熱をゲームで出したいと思います」 ピーター クラモフスキー監督が言うように、ファン・サポーターの熱や思いは強く、福島戦で勝利を挙げて以降は、公式戦全試合後でゴール裏から“東京ダービー”専用のチャントが響き渡り、選手たちを鼓舞。12年前を知る選手たちがほとんどいない中、その熱を伝え、試合2日前の練習場には『ヴェルディだけには負けられない』、『東京なめンなよ』、『食うか食われるか目の色変えて闘えダービーだぞ』と横断幕が掲げられていた。
新体制発足後のFC東京は、リーグ戦で2勝1分と無敗を誇り、味の素スタジアムでは2戦2勝。“新生・青赤”は天皇杯に向けて虎視眈々と準備を整えている。
一方、J2で自動昇格圏の2位に位置する東京Vは、9日のリーグ前節・町田戦では国立競技場で激闘を繰り広げた。首位・町田との“東京クラシック”は、前半に2点を先行される苦しいスタートとなったが、後半に主導権を掌握。新加入の染野 唯月が2ゴールを決め、勝点1をもぎ取った。
非常にタフな消耗戦を戦ったことでコンデジション的には難しい部分もあるだろうが、ダービーマッチにおいてそれは関係ない。同じ地域にホームを構え、自分たちよりも上のカテゴリーで戦う永遠のライバルチームに易々と引き下がる訳にはいかない。そんな中、かつてFC東京で指揮を執っていた城福 浩監督は誰よりもこの一戦に燃えているに違いない。代名詞にもなっている渾身のガッツポーズが飛び出すか、ピッチ上だけでなくベンチ前からも目が離せない。
天皇杯では初めて実現する“東京ダービー”。凱歌を上げるのは、青赤と緑のどちらだろうか。
[ 文:須賀 大輔 ]
