川崎Fは7月29日にFCバイエルン・ミュンヘンとの親善試合(0●1)に臨み、その前の週にも未消化だった明治安田J1第16節・神戸戦(2△2)を戦っている。ほかのJ1チームとは異なり、中断期間はない状況でこの試合を迎えることになった。
FCバイエルン・ミュンヘン戦で世界トップクラスの選手と相まみえたことは、選手たちにとって大きな刺激となった様子だ。
主将の橘田 健人は「技術力が高かったし、中途半端なプレッシャーだとプレッシャーと思っていなくて、余裕をもって対応された。プレッシャーの強度を上げていかないといけないと思った」と感想を述べている。
今季、川崎F.U-18から昇格1年目の大関 友翔はいまだ公式戦の出場はないものの、FCバイエルン・ミュンヘン戦の後半途中から出場して攻撃面で大いにアピール。鬼木 達監督は「ゲームはある程度間延びしていたが、その中でも攻撃のところでは自信を持ってボールを受けて、パスを前にもつけていた」と好評価を与えている。「どんな状況でもそれをできるように、攻撃だけの選手ではなくて、攻守両方の選手になればいいという話もした」(同監督)。彼のようにこれまで出場機会がなかった、多くなかった選手や、負傷からの復帰戦を先発で飾った小林 悠、復帰2試合目となったレアンドロ ダミアンといった選手たちも意義深い試合経験を積んでいる。
ラウンド16の相手である高知ユナイテッドSCは、J1よりも3つ下のカテゴリーであるJFLに属しているが、鬼木監督は「自分たちがタイトルを目指す意味では、カテゴリーは関係ない。そういう考えは取り除いて臨まないといけない試合」と選手には伝えているそうだ。橘田も「J1のチームを倒してきているし、なめている人はいないと思う」とコメントしている。
そのとおり、高知ユナイテッドSCはこれまでG大阪、横浜FCとJ1の2チームを下してラウンド16に進出している。結果を残したことで自信をつけており、リーグ戦でも見せている堅守に加え、攻撃面でも充実一途だ。
鬼木監督は高知ユナイテッドSCのスタイルについて、「しっかりとした守備からの速いカウンターは抜け目がない。攻撃では前にかかったときにスピード感があり、アイディアもある。特長を持った選手も多い印象」と話した上で、「怖がったら、相手の狙いどおりのサッカーになる。アグレッシブにゴールへ向かう姿勢を数多く出さないといけない」と述べている。
高知ユナイテッドSCはチームのレジェンド的な存在である背番号10の横竹 翔(元広島など)を中心に、サイドには突破力のある橋本 峻輝がおり、前線では新谷 聖基や小林 心がアグレッシブにゴールへ向かう。J2金沢から期限付き移籍で加わっているGK上田 樹がゴールを守り、J1福岡から加入した東家 聡樹は186cmの長身を生かして前線で起点となる。JFLでは11位に沈むが、2位とは勝点8差とそこまで開きはない。
攻撃の中心選手である金井 冬土の負傷離脱は痛いところだが、地元出身の吉本 岳史監督(選手として元名古屋、横浜FC、水戸など)が作り上げてきた、組織だったチームは手ごわい。ハイラインを敷いて前からプレッシャーを掛け、それができない際は[5-4-1]で強固なブロックを敷く。
川崎Fとしては、足をすくわれないようにしたい。
[ 文:田中 直希 ]
