四半世紀ぶりの出場となる甲南大サッカー部は1951年に創部された古豪だが、関西学生リーグ1部と2部を行き来する時期も続いた。しかし2019年に元Jリーガーの柳川 雅樹氏が監督に就任すると、その年に1部昇格。翌年は新型コロナウイルスの影響で総理大臣杯と全日本大学サッカー選手権大会が中止になったものの、#atarimaeni CUPでベスト8まで勝ち上がった。また、創部史上初のJリーガーとなる木村 太哉(岡山)を送り出し、翌年にも井上 聖也(福岡)を輩出するなど、進境著しい大学サッカー部となっている。
現在チームを率いるのは、2023年に柳川監督からバトンを引き継いだ竹口 清一監督。就任1年目で1部復帰を成し遂げると、今年度の天皇杯兵庫県予選では準決勝で2年連続王者だったCento Cuore HARIMAを下し、決勝では関西学院大と対戦。82分に逆転される苦しい展開となったが、その直後に同点に追いつき、PK戦でも一度はリードを許したものの9人目までもつれ込む激戦を制して、25年ぶりの本戦出場を決めた。
リーグ戦でもその粘り強さを見せており、関西学生リーグ1部第3節・同志社大戦では前半で0-3とされながらも後半に追いつき、前節も立命館大に先制を許しながら70分以降の2得点で逆転勝利を収めている。金沢との天皇杯1回戦も我慢の展開になることが予想されるが、ボールを奪ってからの素早い攻撃や清水 健生、赤熊 大和といった推進力のある選手を生かしたサイド攻撃、ロングスローやプレースキックなどセットプレーから活路を見いだしたい。
迎え撃つ金沢は、決勝のみの出場となった石川県予選で金沢星稜大を相手に6-1の大勝。ただ、引いて守るのではなくアグレッシブにプレスに来る金沢星稜大の前に、一時は1点差とされるなど70分までは接戦となっていた。それでも、終盤に土信田 悠生や杉浦 恭平などリーグ戦にも絡む選手が投入されて流れをつかむと、71分からの4ゴールで一気に試合を終わらせた。
明治安田J3では開幕3連敗、3試合で12失点と最悪の船出となったものの、それ以降は伊藤 彰監督が見事に立て直し、現在は9試合無敗。順位も今季最高の5位まで浮上するなど調子を上げてきている。特筆すべきはその攻撃力で、14試合を終えて27得点はJ3でNo.1。突出した点取り屋はいないが、ここまで12人が得点をマークするなど、誰が出てもゴールを奪えるチームとなっている。
名称がツエーゲン金沢となってからは2007年以降、毎年天皇杯に出場しているが(新型コロナウイルスの影響でレギュレーションが変更された2020年大会を除く)、これまでカテゴリーが下のクラブに敗れた経験はほとんどない。唯一にして最後の敗戦はJFL在籍時の2012年、このときは東海社会人リーグ1部だったFC刈谷に0-1で敗れたのみ。15年前の北信越リーグ1部在籍時にも同じ兵庫県代表だった関西学院大を1-0で下している。ただし、近年は同カテゴリーやJ1勢との対戦が続いていたため、今回は8年ぶりに挑戦を受ける形の天皇杯となる。
[ 文:村田 亘 ]
