桐蔭横浜大は大学チームではあるが、JFA・Jリーグ特別指定選手として湘南でJ1デビューを飾っている渡邊 啓吾といった選手もいた。「僕たちはプロで、相手は学生だけど、ピッチに立ったらそんなものは何も関係がない」ということを戸田 和幸監督から伝えられ、相模原は難しい試合になると認識して臨んだ。
「去年もここで(YS横浜に)勝ってクラブとして初めて県予選を突破しましたけど、『その前の年に同じ桐蔭横浜大と決勝で0-3で敗れている』という話を選手にはしました。(いまの在籍メンバーに)直接対戦した選手が多いわけではないですけど、クラブとして悔しい経験をしたまま今日までずっと続けてきたので、取り返すことも含めて臨もうと話して試合を戦いました」(戸田監督) そのスタンスで臨んだ試合だったが、相模原は立ち上がりに相手CKからペナルティーエリア内でハンドを犯し、PKを献上してしまう。この絶体絶命の窮地から救ったのは、3シーズンぶりにクラブへ復帰した守護神の三浦 基瑛。
「相手選手があそこまでシュートはゼロでしたし、(キッカーの渡邊は)相手のエースで『ここでPKを決めてやろう』という思いがあったと思う。置きにこないだろうと思い、(自分から見て)確率的には7:3くらいで右に飛ぼうと決めていた」という予想が見事的中。はじいたあとに詰められたシュートにも対応し、この日一番のファインプレーで流れを手繰り寄せた。
そして、「個々人として良くなってきているものがチームとしてうまく合わさり、できるプレーが増えて相手陣での攻撃につながっている。最終的な点を取るときも“いつ、どこ”というのが合ってきた」(戸田監督)ことでインプレーから3点、セットプレーから2点をマーク。伊藤 恵亮や水口 湧斗といった若い選手たちが成長を示すとともに、5得点と目に見える分かりやすい結果を残した。
明治安田J3では第12節・FC大阪戦、第13節・YS横浜戦と続けてスコアレスドロー。それ以前も複数得点を決めた試合が1試合のみと決定力に苦しんでいたが、桐蔭横浜大戦の翌週に行われた第14節・鳥取戦では3-0と快勝。「選手が替わって、いろんな特徴もあると思いますが、チームとしてやることはブレずにいまハッキリしているし、みんなが理解できている」と伊藤が言うように、これまで取り組んできたことが1本の線になってつながってきた。
天皇杯1回戦の相手も学生チームになるが、相模原にとっては関係ない。いつもどおりチャレンジャーとして、ハードワークするスタンスで戦うことが大前提だ。
対戦相手の山梨学院大PEGASUSは、関東大学リーグ2部に所属する山梨学院大のセカンドチーム。山梨県予選決勝では、播上 颯大が2ゴールを挙げるなど3-2で韮崎アストロスSCに勝利し、3年連続6回目の本戦出場を果たした。
走力を生かしてスピーディーな展開でゴールへと向かう彼らは、同じように走力をベースとする相模原にどんな戦いを演じるのか。
5月25日の13時にキックオフするレモンガススタジアム平塚での1回戦は、見ごたえのあるタフな一戦となりそうだ。
[ 文:舞野 隼大 ]
