岩手は現在、明治安田J3で最下位に沈む。開幕から内容、結果ともに低調で、リーグ戦14試合でわずか2勝。J3第11節・福島戦での0-9の敗戦を皮切りに3連敗を喫し、これを受けて5月8日、クラブは監督交代を発表した。新監督に就任したのはGM兼強化部長の神野 卓哉氏。神野監督は「メンタル、トレーニングに取り組む姿勢、そして試合では球際や1対1のところがまだまだ弱い。気持ちを強く、体も強くプレーする。ベースのところを立て直せば上向ける」と巻き返しを図る。
就任後、初戦となった天皇杯岩手県予選決勝では富士大を相手に3-0で勝利したものの、直近のJ3第14節・YS横浜戦では0-1の敗戦。今季初の4バックで挑んだが、なかなか攻撃面で決定機を作れず、4連敗となった。それでも前体制になかった規律の影は見えつつある。前線には都倉 賢、オタボー ケネスというフィジカルと決定力に優れた選手が並び、攻撃で違いを生み出せる加々美 登生、プレーメーカーの新里 涼がタクトを振る。個の力では優位性がある中、チームとしてその力をどう最大化できるか、そして若い最終ラインが安定感を保ち続けられるかが勝敗のカギを握ってくるはずだ。
1995年に創立された北海道十勝スカイアースは北海道リーグに所属。2017年からは4連覇を達成した(※2021年度は1位ながら緊急事態宣言の影響によって中止の試合が発生したことにより、優勝の扱いではなかった)リーグを代表するチームであり、2019年からは元日本代表の城 彰二氏が統括GMを務めているクラブでもある。天皇杯には2021年度に初出場し、1回戦で秋田をPK戦の末に下し、ジャイアントキリングを見せつけ、2回戦にコマを進めた。今大会が二度目の出場となる。
今季初の公式戦となった天皇杯北海道予選の初戦にて札幌大に2-0で勝利すると、その翌日に行われた決勝でも北海道教育大岩見沢校サッカー部を1-0で退けて本戦出場の切符を獲得した。また、5月19日のリーグ開幕戦でも前後半に2点ずつを決めて4-1で勝利。幸先の良いスタートを切った勢いを生かし、勝利を目指す。
注目はFWの下田 康太。ここまで公式戦3戦連続ゴール中で、北海道予選の2試合ではいずれも決勝点をマークするなど、好調を維持している。また、中盤ではG大阪や仙台などでもプレーした中原 彰吾がゲームをコントロール。高いレベルでの豊富な経験に加え、J3で岩手との対戦経験を持つ中原も試合のカギを握る存在だ。また、MF佐藤 瑠己安は岩手県の出身。メンバー入りすれば地元での凱旋試合となる。
直近の試合結果では対照的なチーム同士の対戦となるが、やはり地力で勝るのは岩手だろう。北海道十勝スカイアースとしては、いかに我慢し、どのように岩手の歯車を狂わせられるか。そういった部分から自分たちの展開にできれば十分に勝機が見えてくる。長野 聡監督がどんなプランでこの試合に臨むのかにも注目が集まる。
[ 文:髙橋 拓磨 ]