福島は今季、寺田 周平監督を迎えた。中央から崩すことを最優先として、中央を固められたらサイドから攻め、中央が空いてきたらまた中央を使うといった形で、相手がどう対処してきたとしても攻撃の形を作ろうという、非常に攻撃的なスタイルを貫いている。
3月途中から4月中旬にかけては中央に人数を割いて守備を固めてくる相手を崩せず7試合勝ちなしに。しかし、それでも寺田監督と選手たちは、目指すスタイルを貫き続けた。すると4月28日の明治安田J3第11節・岩手戦では塩浜 遼が前半だけでハットトリックを達成するなど、攻撃力が大爆発し、9-0で圧勝した。
この大勝で自信をつけたチームは一気に勢いに乗る。第12節・沼津戦は終盤に樋口 寛規がゴールを挙げて1-0と勝利。第13節・奈良戦はJ3の4月度月間ヤングプレーヤー賞を受賞した大関 友翔のスーパーゴールなどにより、2-1で勝利。第14節・今治戦は、前半に先制を許したが、後半に塩浜のゴールで同点に追いつき、その後退場者を出しながらも攻撃的姿勢を崩さず、上畑 佑平士の逆転ゴールが決まって2-1で勝利。リーグ戦4連勝で8位に浮上。悲願のJ2昇格に向けて、チームの雰囲気は最高だ。
大関、上畑、針谷 岳晃といった中盤の選手たちのパスワークやドリブル、左ウイングの森 晃太のテクニックとスピードを兼ね備えたドリブルは他チームの脅威となっている。チーム全体としても攻撃から守備、守備から攻撃への切り替えが早くなった上、攻守にハードワークできるようになっており、キャプテンの堂鼻 起暉を中心に守備の安定感も増している。攻守ともに完成度を高めてこの一戦に挑む。
一方の大山サッカークラブは、東北社会人リーグ2部南所属で、羽黒高や山形ユース出身の選手が多い。福島が福島県予選決勝で戦ったFCプリメーロ福島と同じカテゴリーのクラブだ。
福島はFCプリメーロ福島戦で、リーグ戦から先発メンバーを全員入れ替えて臨み、7-0で勝利していることを考えると、この試合もリーグ戦で出場機会の少ない選手が先発する可能性がある。寺田監督はFCプリメーロ福島戦について「難しい相手に対して一瞬も気を緩めず、最後までハードワークしたのは、チームとしてすごく良かったと捉えています」と、出場機会の少ない選手も含んだメンバーが、高い集中力で90分間戦い続けられたことを喜んだ。
FCプリメーロ福島戦後に寺田監督が「90分通してハードワーク、切り替えのところが一番大事」と語ったとおり、この試合もハードワークを徹底したい。一方の大山サッカークラブはなんとか立ち上がりに得点を奪う展開を作って、福島を慌てさせたいところだ。
勝てば6月12日の2回戦でJ1・G大阪と対戦できる。トップカテゴリーのチームと試合をする機会を得るため、互いに全力で戦い抜く。
[ 文:小林 健志 ]