横浜FMはラウンド16でJ2長崎と対戦。58分に先制され、天野 純のゴールで67分に追いつくも、後半アディショナルタイムに勝ち越しを許す苦しい展開だった。敗退の影がちらつく中、90+8分、途中出場の西村 拓真が起死回生の同点ゴールを奪うと、その2分後に古巣戦に臨んでいた植中 朝日が劇的な逆転ゴールを沈めて、苦しみながらも準々決勝への切符を手にした。
J3岐阜と対戦した2回戦、J2水戸とぶつかった3回戦では後半終了間際に同点に追いつく形から、決着がつかずに迎えたPK戦を制して辛くも勝ち上がってきた経緯がある。今回もカテゴリーが下の相手ではあるが、過去三度の経験から油断はないはずだ。
ただ慢心こそないものの、心配なのが敗戦続きのチーム状況。22日の明治安田J1第31節・広島戦では2-6の大敗を喫し、17日のACLEリーグステージ第1節・光州戦でも3-7で敗れている。現在公式戦4連敗中であるため、何よりの“良薬”である勝利をつかんで状況を好転させたい。
広島戦に続いて、リーグ次節・FC東京戦も出場停止となる西村を気兼ねなく先発で起用できることを前向きに捉えたい。同じく広島戦で出場停止だったエウベルは中2日で控えているFC東京戦との兼ね合いから、プレータイムこそ限定される可能性は高いが、コンディション面に問題はない。宮市 亮、広島戦でひざを捻った天野と攻撃陣に負傷者が増えつつあることを考えると、スクランブル態勢で臨んだ上で90分間での決着が理想となる。
対する山口はラウンド16でJ1鳥栖と対戦。11分までに若月 大和と山本 駿亮がゴールを奪ったことで優位な立場を築くと、守備陣が鳥栖の反撃をシャットアウト。見事2-0で破り、下克上を達成した。
山口は21日のJ2第32節・千葉戦で1-4の大敗を喫したことで9位に順位を落としたものの、J1昇格プレーオフ圏内である6位との勝点差はわずか『2』と、クラブ初のJ1昇格を目指せる状況にある。鳥栖戦では直近のリーグ戦から大幅なターンオーバーを行っているため、今回も同様の手段を選択する公算は高い。
山口としては、どれだけソリッドに戦えるかが第一関門となる。不調とはいえ、横浜FMの攻撃力はJ1屈指。鳥栖戦のように先行逃げ切りが理想の試合運びではあるが、得点を奪えなくても我慢強くできるだけ無失点の状況を長引かせ、好機に“一刺し”を狙うのが現実的な戦い方だろう。ここ最近、横浜FMは守備の脆さを露呈しており、2戦連続となる“J1喰い”の可能性は十分にある。
[ 文:大林 洋平 ]
