今季開幕からリーグ戦で苦戦が続く愛媛は明治安田J2第16節、ライバル・徳島との“四国ダービー”に臨むも0-2で敗戦。リーグ戦いまだ1勝と思うように浮上のきっかけをつかめない苦境を鑑み、クラブは石丸 清隆監督の契約解除に踏み切った。
暫定的にチームの指揮を執るのは、長年にわたってコーチングスタッフとして愛媛を支えてきた青野 慎也ヘッドコーチ。暫定指揮官は「このクラブに育ててもらい、このクラブを愛する1人として、いまの状況を打開したいという思いは人一倍強いと思っています。地元・愛媛のため、これまでの経験を生かし、全身全霊でチームの勝利に貢献できるよう努めてまいります」と強い意気込み。チームの苦境を打破する采配が期待される。
振り返れば、昨年度の天皇杯で愛媛は健闘が光っていた。
初戦となった2回戦で当時同カテゴリーだった岡山と対戦。高卒ルーキーの舩橋 京汰が圧巻のハットトリックで躍動するなど大量7得点を奪って勝利を収めると、続く3回戦はJ1福岡と対峙。ここでも愛媛は相手を凌駕するハードワークとアグレッシブさを披露して2-0の快勝を収めた。そしてラウンド16ではJ1広島を相手に善戦するも、終盤で力の差を見せつけられて0-2。ベスト8入りは逃したが、大会を通じてリーグ戦からターンオーバーで臨んだフレッシュな選手たちが、胸がすくような活躍を見せていたのが印象的だった。
この1回戦は1週間のインターバルで行われるため、リーグ戦からの大幅なターンオーバーの必要性はなくなるが、指揮官が代わったことによって選手選考に変化が見られるかは注目されるところ。対戦相手の三菱重工長崎SCはカテゴリーが3つ下の地域リーグを戦うチーム。リスタートを図る初陣で“下克上”は許されず、全身全霊の必勝態勢で挑むことが求められる。
一方、挑戦者としてのスタンスが明確なのは九州リーグを戦う三菱重工長崎SCだ。
三菱重工長崎SCは今大会の出場を懸けた長崎県予選決勝で時津SCと対戦し、4-0の快勝を収めて3年連続での長崎県代表の座を射止めた。
昨年度は1回戦で東海大熊本(熊本県代表)との九州勢対決に臨み、4-0の快勝。16年ぶりとなる2回戦進出を決めた。しかし、当時J2の清水と対戦した2回戦ではワンサイドのゲーム展開を強いられ、大量9失点。まざまざと力の差を見せつけられた。
格上を打ち負かす下克上は天皇杯を象徴する場面の1つとも言えるが、三菱重工長崎SCは2023年度から2大会連続でJリーグクラブと対戦するも、結果はいずれも敗戦。今回、3大会連続のJクラブへの挑戦となる。
この一戦の舞台となるニンジニアスタジアムは、2年前の大会で当時J3の今治に敗れた地。その悔しさを晴らすべく下克上を目指し、ハツラツとした姿でピッチに立つだろう。
[ 文:松本 隆志 ]

