福島は寺田 周平監督が就任して2年目のシーズン。寺田 周平監督は昨季1年間、細かいパスワークやドリブルを駆使して中央をこじ開け、果敢にゴールを目指すスタイルを貫いた。そして明治安田J3で5位となってJ2昇格プレーオフに進出し、準決勝で敗退。今季こそ、J2昇格・J3優勝を果たそうと戦っている。
昨季はリーグ2位タイの64ゴール。今季も高い得点力を見せており、チーム在籍10年目のベテランストライカー・樋口 寛規がチームトップの7ゴール(J3得点ランキング2位)を挙げている。また、成長著しいのは右インサイドハーフの城定 幹大。左足から繰り出される精度の高いシュートは対戦相手の脅威となっている。昨季優秀選手賞(J3)を受賞した森 晃太も、切れ味鋭く相手をはがすドリブルで多くの決定機を作り出す。さらには両サイドでプレーできる安在 達弥や、昨季途中から右サイドでプレーする左利きの鈴 直樹といった両SBも多くの決定機を演出している。
そうしたこともあり、J3第13節を終えた時点でリーグ2位の22得点を挙げているが、現在課題となっているのが守備だ。複数失点試合が多く、特にリーグ戦直近2試合は大量失点が続いている。リーグ前々節・群馬戦では4失点、リーグ前節・鹿児島戦では途中で退場者を出した影響もあって5失点を喫した。GKやディフェンスラインから丁寧にパスをつないでビルドアップするスタイルだが、途中でビルドアップを寸断されてカウンターから失点を喫するケースが多く、総失点数はリーグワーストの『27』。これだけの得点を挙げているにもかかわらず、得失点差は-5となってしまっている。
観客を魅了する攻撃ができているものの、失点が減らないことに悩んでいる状況で迎えるこの一戦。どのようなメンバー構成になるかは分からないが、リーグ戦につながる結果と内容が求められる。“プロ予備軍”も多い関東の強豪大学相手にも自信を持ってビルドアップし、自慢の攻撃を見せていきたい。
対する東京国際大は関東大学リーグ1部の強豪で、2008年より前田 秀樹監督が率いる。2003~07年に水戸を率いた経験があり、水戸監督時代はビルドアップのうまい相手に対してカウンターを仕掛けることを非常に得意としていた。丁寧にビルドアップしようとする福島のスキを突いて、ゴールを狙う形は十分に予想される。現在リーグ戦でともに3ゴールを挙げている古谷 柊介、齋藤 晴の2トップに大いに期待がかかる。
勝てば6月11日の2回戦でJ1川崎Fと対戦できる。福島の寺田 周平監督が選手、指導者として25年間過ごした川崎Fとの対戦を実現できるのか。それとも東京国際大がJ1クラブへの挑戦権を得るのか。非常に楽しみな一戦だ。
[ 文:小林 健志 ]
