3年ぶりの本戦出場となった松本は右肩上がりのチーム状況となっている。J3第13節・鳥取戦までの公式戦5連戦で3勝1分1敗と好成績を残した。
カップ戦で若い力が台頭し、それがリーグ戦での出場につながって結果を出す好循環が生まれている。田中 想来、二ノ宮 慈洋、松村 厳らがその筆頭格だ。鳥取戦は先発の平均年齢が24.82歳。田中 想来の今季リーグ戦5ゴール目となる得点で1-0の勝利を収めた。
明確な“基準”を運用しながら、チーム内競争を煽る早川 知伸監督。“走る・戦う・最後まであきらめない”といったベースの部分を重要視しており、それも起用基準の1つだ。チーム内での戦力差は小さく、誰が出ても一定水準で戦えるだけの状況となっている。
だからこそ、誰もが目の色を変えてメンバー入りを狙う。
例えば、大卒2年目の前田 陸王。この一戦を転機にしようと牙を研ぐ。
「去年は慈洋も想来も、メンバーから外れて一緒にやっていた。彼らがカップ戦で結果を残して、リーグ戦でも結果を残して出続けている。『俺らもできるんだぞ』と見せてくれているので、『俺もやらなきゃ』と思わせてくれている。負けていられない気持ちがある」 J1神戸から育成型期限付き移籍加入中の本間 ジャスティンも鼻息が荒い。
「5連戦の中で結局出場したのが、スタメンで1試合と途中からの1試合で、2試合にしか絡めなかった。久しぶりにベンチ外も経験したし、『絶対にここでまた活躍してやろう』というマインドは持っている。勝って良いアピールができれば……と考えている」 どのようなメンバーで臨むかは未知数だが、このほか故障離脱していた馬渡 和彰も全体練習に合流。指揮官からすれば、誰をピッチに送り出すのかを考えることはうれしい悩みと言えるだろう。
J3での得点数を見ると、松本はリーグ10位タイの『14』。一方のFC大阪は同6位の『18』となっている。
松本はリーグ戦の3分の1が終わったタイミングで、中間まとめとなるフィードバックがなされた。その中でフォーカスしたのは得点を取るための手法の確認。ただ、今回の相手であるFC大阪はリーグ戦での平均失点数が約0.85と極めて堅牢なチームだ。[4-4-2]でのハードなプレスと激しい球際、そして攻守のゴール前で見せる鬼気迫るプレーが特長となっている。
それに対して松本が腰を引けずに戦えるかどうか。ロングボール攻勢に対して間延びせず、セカンドボールをしっかり回収しながら攻撃に転じられるか。逆に、FC大阪もどのようなメンバーで乗り込むにせよ、そのスタイルは不変。互いにスキの少ない中で、わずかな勝機を探り合う戦いとなるだろう。
[ 文:大枝 令 ]
