前回大会で2019年度大会以来二度目となる天皇杯制覇を遂げた神戸。大会を通じて多くの選手が出場するなど、総力をもってたどり着いた栄冠だった。今年度も同様にチームの底力を示しながら戦う大会となるだろう。昨年度の決勝・G大阪戦で決勝ゴールを挙げた宮代 大聖は「一試合一試合をしっかり積み重ねていくことは変わっていない自分たちのスタイル」と地に足をつける。連覇という頂を目指しても、すべてにおいて大事なのは目の前の試合だ。
今季の神戸はケガ人の多さに苦しむところからスタートした。AFCチャンピオンズリーグエリートとリーグ戦を並行して戦う過密日程もあり、序盤は戦績が停滞。それでも徐々に状態を戻し、5月31日の明治安田J1第19節・柏戦では、リーグ2位につける相手に対して組織的な戦いぶりを見せて勝利。浮上した課題と実直に向き合い、それを乗り越えながら前進を続けている。
リーグ前半戦を振り返ったとき、「あっという間だった」との感想を抱くのは鍬先 祐弥。「去年と違って試合に出る機会も増えて、できることが増えてきたのはある」と確かな手ごたえを得る。その一方で、「もっともっと突き抜けていかないといけない」とも。攻撃に絡むことを「インパクトとして求めていきたい」とし、さらに「自分の特長の守備だったり、もっと圧倒的なものを見せていけるように」と野心を言葉にする。昨季はJ1を連覇し、天皇杯との2冠も遂げた神戸だが、その向上心はなお右肩上がりだ。
一方、JFLに所属していた2023年度大会でG大阪、横浜FCというJ1勢を破るジャイアントキリングを起こし、ラウンド16に進出した実績を持つ高知。今季は1回戦でJ3讃岐をPK戦の末に破り、2回戦にコマを進めている。
昨季はJFLで2位となり、J3で19位だったY.S.C.C.横浜とのJ3・JFL入替戦を経て、クラブ史上初のJ3昇格を成し遂げた。クラブとして上昇機運の真っただ中にあり、今季は秋田 豊新監督の下、ここまでJ3で4勝5分6敗の13位につけるなど奮闘中だ。
8日のJ3第15節・奈良戦は、二度リードされる難しい展開となった中で逆転勝ち。J3でのホーム初勝利を飾るなど、ファン・サポーターと最高の歓喜を味わったばかり。開幕から13試合で10得点を挙げ、チームの核を担ってきた小林 心が2日に仙台へ完全移籍したが、それをチーム全体で乗り越える強い意志を示した。中2日で迎える試合だけにメンバー編成もポイントになるが、良い雰囲気で神戸戦に臨むことができそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
