2021年度大会でも両クラブは2回戦で対戦しており、甲府が先制したが、後半アディショナルタイムに2失点を喫して逆転負け。福井ユナイテッドFCにスポットライトが当たった。ただ、甲府はこの翌年度の天皇杯では2回戦で環太平洋大に勝利すると、J1の札幌(※当時)、鳥栖(※当時)、福岡、鹿島を倒してJ2クラブながら決勝に進出。そしてJ1の広島をPK戦の末に倒して天皇杯初優勝と、大躍進を遂げている。
甲府はリーグ後半戦に向けて“プチ中断期間”の中、天皇杯2回戦は勝利とともに選手層拡大などを図りたい一戦でもある。今回はリーグ戦に挟まれた連戦下での天皇杯ではなく、5月31日のリーグ前節・大分戦から中10日。そこから中3日でリーグ次節・熊本戦を戦うという、選手起用のマネジメントやコンディショニングが難しいタイミングでもある。
福井ユナイテッドFC戦も熊本戦もJITスでの試合のため、リーグ戦のメンバーで連戦を戦うことも可能だろうが、現実的にはターンオーバーで1戦目に入るのか、“ミックス”で入るのかというところ。甲府の現状としてはケガ人がだいぶ戻りつつあるが、新たなケガ人も出てきており、直前まで選手起用の判断が難しいポジションが出る可能性がある。
ただ、リーグ戦でチャンスをもらえていない選手、勝ち取れていない選手の何人かは確実に試合に出るはず。彼らの特別なモチベーションや渇望感をチームの力に加え、組織力を高めるマネジメントができるかどうかは重要なポイントだ。
井上 樹は「(福井ユナイテッドFCは1回戦でJFLの)Hondaに勝ってきているので勢いも自信もあるはず。でも、相手への対応はあるが、それを優先するよりも自分たちがやるべきことをやることのほうが大事になると思う。特別な戦い方はなく、いつもどおりの力を発揮すること。それができれば問題はないと思う。(普段一緒にプレーしていないメンバーでも)お互いの短所を補いながら戦うのは当然だし、サッカーなのでピンチがあるのも当然。ピンチの時間は声をかけ合ってしっかり防ぎたい」と話す。
シームレスな戦い方、そして勢いを持って挑む福井ユナイテッドFCに対して「止まらないこと」(大塚 真司監督)で上回りたい甲府の対決。つなぎ目なく攻守を繰り出せるのがどちらになるのか、注目したい。
[ 文:マツオ ジュン ]
