とはいえ、PK戦まで戦った広島戦から中2日となる上に、ケガ人が多い状況も変わらない。指揮官にとってメンバー選考はかなり難しいものになりそうだ。富山から完全移籍で加入した碓井 聖生はすでに富山の一員として天皇杯1回戦でプレーしているため、福岡の一員として天皇杯の試合に出場することはできない。
金 明輝監督は、対戦する沖縄SVについて、「データが少ないのは確かだが、球際の強度があり、失点が少なく、攻撃は前線が流動的で相手守備陣をキレイに崩す」という印象を持っている。ジャイアントキリングに遭うことがないように十分な警戒が必要とした上で、「人が替わればできることも変わってくる」と、先の広島戦からメンバーを大きく替えざるを得ない状況で、どういう戦略でゲームに臨むかが初戦突破のポイントになると見ている。
一方の沖縄SVは1回戦で大分県代表のヴェルスパ大分を下して2回戦へ進出。その一戦は下口 竜空と高塩 隼生のゴールにより前半で2点をリード。後半序盤に1点を返されたが、上野 瑶介と川中 健太がそれぞれ追加点を奪い、4-1の快勝を収めた。
7日に行われたJFL第11節でヴェルスパ大分と再び対戦し、1-1のドローに終わったことで首位から2位へと後退。しかし小野木 玲監督が「月曜日の練習で顔を合わせた瞬間の選手のギラギラした表情が印象的で、モチベーションは非常に高いと感じている」と語り、また7日のヴェルスパ大分戦でゴールを挙げた川中 健太も「J1クラブ相手にどこまで自分たちのサッカーが通用するのか、すごく楽しみ。リーグ戦(ヴェルスパ大分戦)で得点できた勢いをそのままに、ゴールという形でチームに貢献したい。サポーターの皆さんと一緒に番狂わせを起こせるよう、全力でぶつかっていく」と、J1クラブ相手のゲームに気持ちはかなり高ぶっている様子だ。
では沖縄SVが番狂わせを実現するために何が必要か。小野木 玲監督は「大事なのは“どう勝つか”にこだわる姿勢。自分たちの積み上げてきたスタイルやプレーが、J1クラブにどこまで通用するかを確認し、勝率を高める工夫が必要。強い意識を持って仕掛ける姿勢で試合に入ること、どこまで自分たちらしく戦えるか」をそのポイントに挙げている。
明治安田J1で9戦未勝利という苦境にありながら、広島とぶつかったルヴァンカッププレーオフラウンドの2試合で自信を取り戻した福岡がJ1クラブとして力を見せつけるのか。それともJFLで優勝争いを演じる沖縄SVが高いモチベーションと工夫でジャイアントキリングを起こすのか。興味深いゲームとなる。
[ 文:島田 徹 ]


