湘南は明治安田J1を6勝4分9敗で折り返し、16位と降格圏間近の順位につけている。開幕3連勝とスタートこそうまく切れたが、そこから2引き分けを挟んで3連敗を喫すると、以後も波に乗れずにいる。それだけに、4日に始まった磐田とのJリーグYBCルヴァンカッププレーオフラウンドは、チームにとって自信を取り戻す良い機会になった。特筆すべきは、これまで出番の少なかった選手や新加入組が結果を残した点である。第1戦では根本 凌が自身で獲得したPKを沈めたほか、奥野 耕平のパスを受けた奥埜 博亮が加入後初ゴールをマーク。また、松村 晟怜や石橋 瀬凪といった若手がフル出場し、戦力となることを証明できた。
続く第2戦では、アウェイかつ追いかけられる展開という状況下で終盤にゴールを割られるも、2戦合計で2-1としてプライムラウンド進出を決めた。天皇杯2回戦は、そのルヴァンカップから中2日となることを考えると、連戦による負担は否めない。ただ、公式戦ならではの収穫を得られた点では、天皇杯にもプラスに働く側面が大きいだろう。
対する岐阜は、昨季J2昇格プレーオフ出場圏内に届かなかった悔しさを踏まえ、今季こそJ2復帰を、と走り出したシーズンだった。だが、待っていたのは予想以上に険しい道のり。ここまでの15試合は3勝5分7敗で19位と低迷している。7日に行われたJ3第15節・鹿児島戦でも、FKのチャンスを生かして粟飯原 尚平のゴールで先制するも、前半アディショナルタイムに追いつかれると、最終的には2-3の逆転負けを喫した。
なかなか思うような結果が得られていないだけに、この天皇杯2回戦で勝利することができれば、それがチームにとっての追い風となるだろう。J1クラブ相手に決して簡単な試合にはならないだろうが、選手個々が通用する点を見いだして自信を持つことができれば、それがリーグ戦にもつながるはずだ。
この試合で楽しみな点と言えば、2015~2017シーズン、そして2019シーズンの途中から昨季まで湘南でプレーした山田 直輝が、岐阜のユニフォームを着て凱旋する可能性があることだ。岐阜に加入してからここまで出場は2試合にとどまっているが、両チームのファン・サポーターはもちろん、本人にとっても期するものがあるだろう。彼のことを指揮官としても見守った山口 智監督は、そうした“元教え子”を擁するJ3クラブに対してどんな手を打ち、勝利をつかむのか。
両者のここ2年の天皇杯の結果を見ると、湘南は2023年度が準々決勝で敗退、2024年度がラウンド16で敗退。岐阜は2023年度に3回戦で福岡相手に延長戦の末に敗れて敗退。2024年度は2回戦で当たった横浜FM相手に善戦を見せるも、PK戦で敗れた。
一発勝負の天皇杯、レモンSで行われる3回戦進出を懸けた戦いは、11日の19時にキックオフを迎える。
[ 文:河合 萌花 ]
