横浜FCは6月、明治安田J1、JリーグYBCルヴァンカップ、天皇杯の3つのコンペティションを戦うことに。リーグ戦では、5月25日の第18節・柏戦から3試合未勝利で、 19位と苦しい状況となっている。J1残留という大きな目標が最優先である以上、「リーグ戦のみに集中するべき」という周囲からの声があることも四方田 修平監督は認識している。ただ、多数の選手を抱える中で、指揮官は「燻ったり伸び悩んでいたりする選手が、エネルギーを発揮して評価をしてあげられる場所があるほうがよりチームが活性化して、全員で残りのシーズンを戦っていけるはず」と、複数の大会を戦っていくメリットを語る。
天皇杯は、2種登録の秦 樹や、Y.S.C.C.横浜への育成型期限付き移籍から今季復帰したヴァンイヤーデン ショーン、長期離脱から実戦復帰したばかりの岩武 克弥や森 海渡など、ルヴァンカップでも思うように出場時間を伸ばせていない選手たちが躍動するチャンス。リーグ戦もここから体力が消耗しやすい夏場の戦いになる上で、先発メンバーの入れ替えや交代カードのバリエーションが肝となる中、もう1段階競争力の底上げをするためにも、大事な試合となるだろう。
対するいわてグルージャ盛岡は、昨季J3最下位となり、今季はJFLに戦いの場を移した。国内4部リーグ相当の位置から、今大会に臨む。
リーグ戦は、開幕から3試合無敗(2勝1分)でシーズンをスタートさせたものの、そこから6連敗と長いトンネルが続いた。しかし、第10節・Honda FC戦のドローで連敗を止め、続くFCマルヤス岡崎戦、クリアソン新宿戦で勝利を収め、現在2連勝中と調子は上向き。この天皇杯でチームをさらに上昇気流に乗せ、Jリーグ復帰に向けた巻き返しを図りたい。
例年、指揮官も選手も入れ替わりが激しく、攻守における積み上げは道半ば。それでも編成を見れば、西 大伍、藤本 憲明、小林 祐希と、J1で培った豊富な経験と、高い個の能力を持つプレーヤーが勢揃い。横浜FCの伊藤 翔も「知っている顔ばかり。気はまったく抜けない」と話すように、この天皇杯の“台風の目”となり得る実力は十分にある。
カテゴリーの差を超え、互いの勝利への執念がぶつかり合う一戦に注目したい。
[ 文:青木 ひかる ]
