町田は今大会初戦となった2回戦で京都産業大を2-1で下し、富山は1回戦で順天堂大を2-1、2回戦で仙台を1-0で破って今回の3回戦にコマを進めてきた。町田は2大会ぶり、富山は初のラウンド16進出を目指す。
町田と富山はかつて2012年にJ2、2015年にJ3で対戦があり、リーグ戦での成績は町田の4勝1分。天皇杯では2019年度大会の2回戦でぶつかり、当時J3の富山が当時J2の町田を1-0で破っている。
J1で4連勝中の町田は7月5日の第23節・清水戦以来の公式戦となる。初タイトル獲得に向けて勝ち進むと同時に、20日に控える第24節・東京V戦に向けてはずみをつけたい一戦だ。
町田には富山第一高OBの中島 裕希と西村 拓真をはじめ富山県ゆかりの選手が多数在籍している。かつて富山に在籍した白崎 凌兵、守田 達弥を目当てにスタジアムに足を運ぶ観客も多いはずだ。
6月に41歳となった中島 裕希が出場すれば、故郷での真剣勝負は山形在籍時に富山と対戦した2014年8月のJ2第26節以来11年ぶり。今回の会場となる富山県総合運動公園陸上競技場では仙台時代の2009年、山形時代の2012~2014年の富山戦に5試合出場し、計4得点を挙げている。プロ23年目を迎え、J通算出場試合数は『632』、得点数は『109』に達している。富山県が生んだレジェンドのプレーを地元で目にすることができる機会が幸いにも巡ってきた。
対する富山は直近のJ2第23節で首位の水戸に0-3で敗れてから中3日。また、次のリーグ戦が8月2日となるため、天皇杯3回戦を終えたら中断期間に入る。安達 亮監督は水戸戦後、「(中断期間に入り)ようやく練習を通じてテコ入れができる。もう少し自信を持ちながらボールを動かせるようになりたい。技術と戦術も上げなければいけない。経験を積めば良くなっていく要素がある選手たちなので、内容も結果も出せるチームにしていきたい」と語っている。
11年ぶりに復帰したJ2では第5節から第20節までで、クラブワーストを更新する16戦勝ちなしと苦しんだが、6月の第21節、第22節で当時2位につけていた千葉と仙台を続けて破った。安達 亮監督が目指す、ボールを握って攻撃を組み立てるスタイルが徐々に浸透しつつある。J2に残留するにはチーム力をさらに底上げする必要性があり、中断期間でしっかりトレーニングを積まなければならない。今回の町田戦もチームが成長するための材料にするべく、さまざまなチャレンジが折り込まれるはずだ。
富山在籍11年目の椎名 伸志は、今回の町田戦を待ち望んでいた選手の1人。青森山田高時代に、現在町田を率いる黒田 剛監督の教えを受け、2009年度の全国高校サッカー選手権ではキャプテンとして1学年下の柴崎 岳(現鹿島)らとともに準優勝している。流通経済大卒業後にプロになり、度重なる大ケガを乗り越えながらキャリアを重ねてきた。安達 亮監督が富山で前回指揮を執った2018年から2020年にも在籍しており、ピッチで“安達流”を体現して今季もチームを引っ張っている。黒田 剛監督に健在ぶりを示せるか注目だ。
町田サポーターに、昨季から期限付き移籍で富山に在籍している布施谷 翔の活躍ぶりも報告しておきたい。昨年は主に左サイドハーフとしてJ3で29試合に出場し、J2昇格プレーオフ2試合でもスタメンを張って準決勝・FC大阪戦では得点も決めた。今季は町田仕込みの運動量とプレー強度を買われてSBに移り、すでにJ2で20試合に出場。ハードワークと果敢な攻撃参加で欠かせない存在となっている。契約上の都合で今回の試合には出場できないが、特別な思いで試合を見つめることだろう。
[ 文:赤壁 逸朗 ]
