相模原は本戦出場後の1回戦から、水戸、磐田、川崎F、秋田といずれも上位カテゴリーの相手を次々と倒し、クラブ史上初の準々決勝までコマを進めた。特に3回戦・川崎F戦は、J1屈指の技術の高さを誇る相手に対して一丸となって立ち向かい、集中した守備で得点を許さず。PK戦に持ち込み、粘り勝ちを収めた。以降、簡単には崩されない強固なディフェンスへの自信を深め、その成果はリーグ戦の成績にも表れ始めている。
また、今季思うように出場時間を伸ばせていなかった徳永 裕大や前田 泰良、髙木 彰人ら中盤から前線の選手が今大会で躍動し、序列アップに成功。ポジション争いも加熱し、チーム内の雰囲気は活気づいている。
また、23日に行われた明治安田J3第24節・北九州戦では、今夏に甲府から完全移籍加入した中山 陸や、JFA・Jリーグ特別指定選手の田鎖 勇作が躍動。相模原で天皇杯に出場できない戦力をうまく活用し、連戦に臨むマネジメントも上々だ。「失うものはなにもない」(シュタルフ 悠紀リヒャルト監督)心意気を持ち、フルパワーで神戸に食らいつく。
一方の神戸は、JリーグYBCルヴァンカップも含めての公式戦7連戦の4戦目。リーグ戦は直近4試合で1勝1分2敗とやや足踏み傾向だが、この一戦で勝ちグセを取り戻し、“3冠”への筋道を立てたいところだ。
ラウンド16・東洋大戦は、井出 遥也のゴールで13分に先制するも、前半のうちに追いつかれてきっ抗した展開に。延長戦にもつれ込んだ試合は、120+1分にGKのキャッチミスからのこぼれ球を宮代 大聖が押し込み、ギリギリでジャイアントキリングを阻止する形となった。この準々決勝も、ベスト8の中で最もチャレンジャー精神を持って臨んでくるであろう相模原に対して、もちろん油断は許されない。
16日に行われたJ1第26節・横浜FC戦で佐々木 大樹が負傷した一方で、離脱していた武藤 嘉紀と大迫 勇也が今月から実戦復帰し、着々とコンディションを上げているのは好材料。関東での開催と地理的な条件では相手にアドバンテージがある状況だが、“2大エース”のゴールに期待が高まる。
“スーパーチャレンジャー”と“ディフェンディングチャンピオン”。意地とプライドのぶつかり合いに注目したい。
[ 文:青木 ひかる ]
