「今日われわれが対戦したのは、世界最高のチームの1つです。われわれの選手たち、われわれのチームに対して、私は大きな敬意を表します。自分の持てる力のすべてを出してくれたと思います。もちろん、もっと攻撃的なプレーをしたかったですが、この相手に対してそれは非常に難しいことでした」 あるいは、先制の時間が早過ぎたのかもしれない。「われわれの意図は、得点を決めた場面のようにアグレッシブに出て、プレッシングを掛け、飛び出して相手を驚かせることだった」(マチェイ スコルジャ監督)と語ったように、序盤は積極的な守備で制限をかけ、無理なら引くというメリハリがあったが、先制して以降は“逃げ切り”フェーズの色が濃くなった。自陣ゴール近くで耐える場面が続き、じわりじわりと攻め続けるインテル・ミラノに疲弊させられ、最後は逆転を許した。
終盤まで“大アップセット”が眼前にあっただけに、選手たちの悔しがりようもこれまでにないものがあった。笑顔を絶やさないことが信条の西川 周作が涙し、いつも飄々として取材に応じる安居 海渡の目にも涙がにじんでいた。それだけの激闘だった。
ただ、選手たちの“燃え尽き”を心配する必要はないだろう。得難い経験は積んだが、“実”について手ぶらで帰るわけにはいかない。
「こんなにも悔しい気持ちにさせられて、まだまだ欲も感じています。今までも悔しい思いはしていましたが、今日は本当に重くのしかかってきました。この感情をしっかりと次にぶつけないといけないですし、このままでは日本に帰れません。しっかりモンテレイに勝ってから日本に帰ります」(西川 周作) 「(CFモンテレイ戦は)何よりもプライドを持って戦いたい。こういう舞台で試合をできるのは非常に素晴らしいことですが、勝点ゼロでは帰りたくない。少なくとも勝点1を取って日本に帰りたいと思っています」(ダニーロ ボザ) CFモンテレイ(メキシコ)戦を前に2人はそう話した。経験や手ごたえだけではなく、賞金や勝点の成果を持ち帰るために戦う。そしてここまで2引き分けのCFモンテレイはある意味、浦和がやりたかったことを遂行している。欧州と南米の強豪相手に勝点を挙げて、グループステージ突破への望みをつないだ。そのような巧者とやり合うのもまた得難い経験であり、勝利を奪えれば重畳だ。
「僕らの成長のために戦って、来てくれているサポーターのために戦うという最低限のことはしたい。モチベーションを落とさずにやりたいが、成長したいと思っていたらモチベーションは落ちないと思うので、この2戦でやってきたことをチームとして続けたい」(渡邊 凌磨) いざ、ロサンゼルス決戦へ――。
[ 文:沖永 雄一郎 ]