鹿島の前節・川崎F戦の戦いは悪くないものだった。中断前の3試合では新監督に就任したザーゴが指示する戦い方に未消化な部分が多く、粗が目立つ試合が多かった。常に先に失点する展開というだけでなく、ゴールも奪えずチャンスの数も多くはなかった。
川崎Fにも開始2分でゴールを許し、前半のうちに追加点を与えたものの、後半は見事に盛り返す。守備の精度が高まり、後半はほとんど相手にチャンスを与えず、ボール支配率でも大きく上回った。ザーゴ監督は「後半はほぼわれわれがゲームをコントロールしている状況だった」と振り返ったが、敗戦した強がりから来るコメントではなく、内容を正しく受け止めたときに出る言葉だった。
未勝利は続いたものの、今節でどのような戦いを見せるのか期待は膨らむ。
札幌は鈴木 武蔵が絶好調だ。前節の横浜FC戦では2試合連続ゴールを挙げただけでなく、同点に追いつかれた後半、快足を飛ばしてディフェンスラインを抜け出すと逆サイドに見事に流し込むシュートで2点目を挙げた。チームにリーグ戦初勝利をもたらすだけでなく、エースストライカーとしてチームをけん引する活躍だったと言えるだろう。
3月の鹿島とのトレーニングマッチ(1、2本目)でも鈴木はジェイとともに2得点を挙げ、チームを4-2の勝利に導いている。1点目はクロスに飛び込む形だったが、2点目は直接FKを蹴り込み、新たな姿を披露している。鹿島からすれば、この鈴木を抑えなければ勝利は手にできないだろう。
この練習試合では両者ともに高い位置からボールを奪いにいく姿勢を見せたことが印象的だった。ただ、そのときトップに入っていたアンデルソン ロペスは現在ブラジルに帰国したまま日本に戻れない状態が続いている。そのため前節の横浜FC戦ではジェイが最前線に入っていたが、攻撃から守備への切り替えや、ボールへのアプローチの鋭さに難がありそうだった。もしかしたら選手構成を練り直してくるかもしれない。
これまでのリーグ戦での対戦成績は鹿島の12勝3分1敗と圧倒的な差がついている。札幌が勝利したのは最初に対戦した2001年の厚別での試合のみ。それ以降、鹿島は一度も負けていない。練習試合の結果か、これまでの対戦成績か、どちらのデータがものを言うだろうか。
[ 文:田中 滋 ]

