アウェイチームの札幌は、再開からしばらくアウェイゲームが続いており、千葉県内に拠点を置いて戦っている。しかしこの状況下でのここまで3戦は、2勝1分と負けなし。今節・仙台戦がアウェイ連戦の最後となり、ホームに戻る前の勝点奪取を狙う。
ペトロヴィッチ監督の指揮下でリズムよくパスを回し、そこにチャナティップや菅 大輝のドリブル、ジェイの高さなどのアクセントが加わる攻撃は魅力的。前節は得点源の鈴木 武蔵を負傷で欠いたものの、新戦力のドゥグラス オリベイラが途中出場でデビュー。迫力ある飛び出しでゴールに迫る彼が、札幌の新しい武器になりそうだ。
迎え撃つホームチームの仙台は、今季から木山 隆之監督の下で新チームを作り上げているところ。選手が入れ替わったり、攻撃の組み立てが変わったりして、昨季までのチームからさらに攻撃手段を増す変化を加えている。
開幕時には[4-4-2]を基本フォーメーションとしていたが、再開後はキャンプでも試していた[4-3-3]に変化。試合中に立ち位置を変え、それまでよりピッチの横幅を大きく使った攻撃も多く織り交ぜられるようになった。例えば、前々節・浦和戦はクロスに右ウイングの山田 寛人が走り込んで合わせ、前節・横浜FC戦は右サイドの蜂須賀 孝治からのサイドチェンジを受けたアレクサンドレ ゲデスがDFをかわしてゴールを決めた。
この対戦では、両監督のチームマネジメントに注目するのも面白い。それぞれ、違ったアプローチから、魅力的なチームを構築しているからだ。
2018年から札幌を率いて3年目のペトロヴィッチ監督はそのスタイルを浸透させ、今季に至るまでには大きな戦力の入れ替えもなく熟成を図っている。堅固な基盤の下、第2節から第4節までを戦い、第2節と第3節は先発が同じ。続く第4節では最終ライン中央から試合をコントロールできる宮澤 裕樹に替えて、ルーキーの田中 駿汰が先発という変化も加えている。そして、試合中にはハーフタイムに一挙4人を交代させるという大胆な策をとった。固い基盤と、大胆な交代策の両方が注目点だ。
仙台の木山監督は就任1年目で、チームに新スタイルを浸透させる途上にあるが、多くの選手が入れ替わっても機能させられることを先の3連戦でも証明した。第2節から第3節に向けて7人の先発を入れ替え、第4節では6人を変更。その中で指揮官は「一つひとつの試合にこだわる中でも可能性のある何人かの選手に出場機会を与えていくこともできたので、そういう意味では十分、価値のある3試合だったと思っています」と手ごたえを得ている。試合中の選手交代でも積極的にアクションを起こしており、選手たちもまたそれに応えるように厚い攻撃や守備をピッチで表現。あとは、それにふさわしい結果を、ホームゲームで出すことができるかが問われている。
会場のユアテックスタジアム仙台には、制限付きながら、開幕戦以来となる観客が戻ってくる。多くの拍手に囲まれるような試合内容を、期待したい。
[ 文:板垣 晴朗 ]


