AFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝を合わせて20冠のタイトルを保持する名門クラブが苦しんでいる。明治安田J1は開幕から第4節までを終えたが、鹿島はずっと最下位に沈んだまま浮上のきっかけをつかめていない。なにしろゴールが奪えていない。ここまでの4試合で奪ったゴールは、第2節・川崎F戦のオウンゴールのみ。これはリーグ戦に限った話ではなく、ACLプレーオフやJリーグYBCルヴァンカップを合わせても鹿島の選手がゴールネットを揺らした場面は訪れていない。初勝利をつかむには、まず得点を奪わなければならない。
ただ、ザーゴ監督は前節の浦和戦の前に次のように語っている。
「データを見るとJリーグの中で攻撃の回数が一番多く、シュート数も一番多いチームでした。選手が僕らのやろうとしているサッカーを表現していて、その浸透度が非常に高まってきたことが数字でも表れていてうれしく思います。なかなか決め切れていないところはありますけど、1つのきっかけで入るようになると思いますし、選手の個というよりもチームとしてやり続けることが必要だと思います」 前節の結果を受けて、攻撃回数やシュート数はリーグ1位ではなくなっているが、相手にシュートを許さないなど、チームの戦い方は安定してきた。攻撃力の高い横浜FM相手に、その数値を結果につなげたい。
今季よりボール支配率を高める戦いに切り替えた鹿島とは対照的に、アンジェ ポステコグルー監督の下、そのスタイルを極めてきたのが横浜FMだ。リーグ戦再開後は1勝1分1敗と少し足踏み。浦和、湘南、FC東京と、いずれもボールを保持する横浜FMへの十分な対策を講じられた中、簡単には勝てないことを実感する試合となった。とはいえ、昨季15年ぶり四度目のリーグ制覇を成し遂げた選手たちは、自信を持ってそのスタイルを突き詰めている。前節で守備の要であるチアゴ マルチンスも先発復帰し、メンバーはそろったと言えるだろう。
昨季、両者は1勝1敗と五分の成績だった。どちらの試合も2-1でホームチームが勝利する結果を得ている。ただ、鹿島は指揮官がザーゴ監督に代わっており、昨季までの戦い方とは大きく形を変えている。横浜FM対策も違った形をとるだろう。また古巣対戦という意味では伊藤 翔に加え、広瀬 陸斗も鹿島に加わった。彼ら2人の働きにも注目が集まる。
結果が出ていない鹿島はついつい後ろ向きになりがちだが、FWの上田 綺世は「この逆境が逆に僕らのモチベーションにもなる」と話した。強い気持ちで横浜FMをホームに迎え撃つ。
[ 文:田中 滋 ]

