「今年は開幕ダッシュをかけたい」と倉田 秋が開幕前に意気込んでいた言葉を体現する上でも、今節は重要な一戦だ。
再開後の戦いでまだ勝利を手にしていなかったG大阪だが、前節の清水戦は84分に一度は試合を振り出しに戻されるも、途中出場の渡邉 千真が終了間際に劇的な決勝ゴールをゲット。今季2勝目をつかみ取ると同時に8位タイに浮上した。「チームとして常に『試合を始める選手と、試合を終わらせる選手がいる』という話をしている中で、われわれにとって良いメッセージを残してくれた」と宮本 恒靖監督も交代カードが機能した勝利に満足感を口にした。
一方、G大阪とは勝点7で並ぶものの、得失点差で7位の大分は再開後の戦いで順調に勝点を積み上げている。「いま、九州豪雨災害で大変な思いをされている方が、大分県内にもたくさんいらっしゃる」と片野坂 知宏が口にした被災者への想いがチームを後押ししているはずだ。
前節は神戸と引き分けに終わり3連勝は逃したものの、広島と鳥栖に勝ち切り、攻守の歯車はかみ合っている。
首位・川崎Fとの勝点差はわずかに『3』。両チームにとって首位戦線に殴り込みをかけたい一戦はピッチ内外で見どころが盛りだくさんだ。
昨季のJ1でG大阪は大分に対して1分1敗。いずれも大分の堅い守りをこじ開け切れず、1点しか奪えずに終わっているが、攻撃陣にタレントを抱えるG大阪の真価が問われる一戦になりそうだ。
再開後のJ1では3試合連続で宇佐美 貴史とアデミウソンが2トップを形成。しかし、必ずしも攻撃面で迫力を出し切れていない前線だけに、宮本監督もなんらかのテコ入れを図る可能性はある。
「スタメンなどの組み合わせも変えながら、その都度その都度、ベストな組み合わせを探していけたらと思う」と清水戦後に宮本監督は口にしたが、2試合連続でファインゴールを叩き込んでいる渡邉の起用法は必見だ。
一方、5年目を迎えた片野坂監督体制でスタイルが浸透し切っている大分は、今季4試合でわずかに3失点。手堅い戦い方は健在だが、再開後のリーグ戦では3試合で計5得点。G大阪が最も警戒すべきは、鳥栖戦で2得点を叩き出し、勝利に貢献した田中 達也の存在だ。
昨年7月までG大阪に所属した田中にとっては、パナソニック スタジアム 吹田に乗り込んで戦う最初の試合。いかなるポジションで起用されようとも、そのスピードを生かして、アグレッシブに仕掛けてくるはずだ。
“元ガンバ勢”に得点を献上しがちな悪癖を持つG大阪だけに、田中を封じることも重要なミッションになる。
かつてG大阪でチームメートでもあった宮本監督と片野坂監督による頭脳戦も試合の見どころだ。昨季、J1優秀監督賞を手にした片野坂監督が講じるであろう“古巣封じ”をいかに乗り切るか。両指揮官が見せる交代枠5人の活用も注目だ。
[ 文:下薗 昌記 ]
