中断期間が明けて以降、神戸の戦績は1勝1分1敗と五分。再開初戦となった明治安田J1第2節・広島戦は0-3の完敗を喫したが、続く前々節・鳥栖戦でリーグ戦の今季初勝利を飾った。中2日の連戦となった11日の前節・大分戦は、アンドレス イニエスタら主力が欠場しながら1-1のドロー。山口から今季加入した菊池 流帆がJ1デビューし、後半途中からは育成組織出身のルーキー・小田 裕太郎もデビューするなど、新たな刺激がチームにもたらされている。
大分戦後の記者会見でトルステン フィンク監督は「総合的に見ると、今日の試合のわれわれの特に後半には勝ちへのこだわりが見えた。前へ前へ、というのもあり、来週はまた大事な試合がホームで待っているので、またこのようなポジティブなサッカーをして良い結果を出したい」とコメント。今節はアンドレス イニエスタらが復帰することも想定されるが、積み上げるポゼッションスタイルを前面に、チームの推進力を高めたいところだろう。
一方、苦境にあえいでいるのが清水。昨季リーグ制覇した横浜FMでヘッドコーチを務めたピーター クラモフスキー監督が指揮を執り、ポゼッション型のスタイルを掲げているが、JリーグYBCルヴァンカップも含めると公式戦5戦5敗と結果が出ていない状況だ。
ただ、掲げる攻撃的なスタイル自体は、これまでの試合でも十分に証明している。前節のG大阪戦でも見せたように、SBの特徴的なポジショニングなど、攻撃を作り、フィニッシュに持ち込んでいく流れは機能的。取り組むサッカーの中で、それぞれが前向きな姿勢を持っていることをうかがわせている。主力としての働きが期待されるエウシーニョとヘナト アウグストが戦列に復帰したことも好材料で、今節を好転のきっかけにしたいところだ。
神戸と清水の対戦は、昨年の天皇杯準決勝が最新のマッチアップ。その試合では清水のドウグラスが多くの決定機を迎える一方、神戸の守護神・飯倉 大樹がビッグセーブを連発したことが記憶に新しい。勝利した神戸は決勝で鹿島を破り、クラブ史上初のタイトル獲得に上り詰めている。
今季から神戸に移籍し、すでに欠かせない点取り屋として存在感を発揮するドウグラスが、古巣戦でどのようなパフォーマンスを披露するのか。また今季大宮から清水に移籍した奥井 諒は早稲田大から神戸に加入し、4年間を過ごした思い出の地への凱旋となる。
それぞれの思いも交錯する一戦は、ポゼッションを掲げる両雄による激突。ボールを支配し、ゲームをコントロールし、勝利を手にするのは果たしてどちらか。ノエビアスタジアム神戸における5,000名までの有観客試合は初となる中、両者の激しいマッチアップが期待される。
[ 文:小野 慶太 ]
