まずは2007年の両者の対決を振り返ろう。リーグ戦で初対戦となったのは横浜FCのホーム開幕戦となった第2節。昇格したばかりの横浜FCが格上と見られていた横浜FMを1-0でシャットアウトし、これがうれしいJ1初勝利となった。8月に行われた2回目の対戦ではホームの横浜FMが初回の敗戦のうっ憤を晴らす大量8得点を奪い、リベンジを果たした。その後は2019年までに天皇杯で計三度対戦しており、いずれも横浜FMが勝利を収めている。
今節、ホームで迎え撃つ横浜FMだが、リーグ再開後は1勝1分2敗と黒星が先行し、なかなかエンジンがかからない。第2節・浦和戦こそスコアレスドローだったものの、以降3試合はいずれも複数失点を喫し、1試合平均失点は『3』。王者となった昨季終盤の守備の堅さは影を潜めている。
ただ、守備の脆さに目がいきがちだが、攻撃に比重をかける横浜FMにとって、攻撃と守備は表裏一体。失点の多くは攻撃時のボールロストが起点となっている。前節・鹿島戦について、「相手の前線がビルドアップの質を落とそうと守備をしてきたのは感じていた。自分たちのポジショニングも悪かったし、パスコースが限定されてミスが多くなったのが敗因」とは途中出場のオナイウ 阿道。守備の改善には攻撃の質の向上が欠かせないと言える。
昨季王者といえども、2連覇に向け、もう足踏みしたくないのが本音だろう。「ダービーを機に上位に上がっていけるような熱い試合をしたい」と小池 龍太が語るように、13年ぶりのダービーを復調のきっかけにしたいところだ。
対する横浜FCでやはり注目なのが中村 俊輔の出場有無。リーグ再開後の4試合で先発出場は一度もないが、中3日の連戦という事情も踏まえれば、スタートからピッチに立つ可能性も捨て切れない。もし横浜FMのレジェンドでもある稀代のゲームメーカーがダービーのタイミングで日産スタジアムに帰還すれば、ゲームを盛り上げる大きな要素となる。
横浜FCは今季、下平 隆宏監督の下、低い位置からしっかりとボールをつなぐサッカーにチャレンジしている。前節は川崎Fに1-5と大敗したが、点差ほど内容の乖離がなかったのも事実だ。戦略家の一面を持つ指揮官がパスサッカーをベースにしながらも、横浜FMのウィークポイントであるSBの裏のスペースを突いてくるのは間違いない。その落とし込みを選手がピッチで体現できれば、13年ぶりのダービー勝利に大きく近づくだろう。
[ 文:大林 洋平 ]

