前々節・鹿島戦で待望の今季初勝利を飾った湘南。勢いそのままに、前節は川崎Fのホームスタジアムに乗り込んだ。前半から防戦一方の展開を強いられたものの、GK谷 晃生を中心に守備で奮闘を見せて失点を許さずに折り返すと、後半の立ち上がりにタリクが豪快にネットを揺らす。ノルウェー代表FWの来日初ゴールで先手を奪うまでは、「当初から考えていたプランどおりにゲームは進んでいった」(浮嶋 敏監督)。ただ、その直後にCKの攻撃からカウンターを受け、山根 視来に“恩返し弾”を食らうと、78分には自陣での軽率なミスから逆転ゴールを献上。その後、終了間際にも追加点を許し、首位チームに一泡吹かせるとまではいかなかった。
7試合を消化し、1勝1分5敗。湘南にとっては厳しい序盤戦となっているものの、ここ数試合は守備面で成長が垣間見える。特にこの2試合は「前半は失点ゼロで」という意識を強めて臨む中で、鹿島戦、川崎F戦とともに耐えるべきところで崩れず、後半に先制点を奪うという理想的な形で試合を進めることができた。川崎F戦も守備組織が破たんして喫した失点ではなかっただけに、この戦い方は今後も継続していきたいところだ。
その中でキーマンとなり得るのがGKの谷だ。鹿島戦でJ1初出場を果たした19歳は、その試合で早速クリーンシートで勝利に貢献すると、川崎F戦でも数々の好セーブを見せて試合を作った。チームはすでに齊藤 未月や鈴木 冬一といった東京五輪世代のプレーヤーたちが中心を担ってきたが、ここにきてまた1人、楽しみな若手選手が存在感を見せている。特に今節は、アカデミーを含めてG大阪でプレーしてきた谷にとっては宿命のライバルとも言えるC大阪が相手。タレント揃いの攻撃陣をシャットアウトし、今季2勝目を手繰り寄せる活躍を見せられるか。
対するアウェイチームは、今季も安定感が光る。リーグ最少失点を誇った昨季同様、今季もここまで1試合平均失点が1を下回るなど、堅い守備は健在だ。ここ2試合はドローが続き足踏みとなったものの、ロティーナ監督就任2年目のチームは、しっかりと上位をキープしている。
再開後はほとんどメンバーを固定して戦っているが、前節から1週間のインターバルがあるだけに、コンディションの心配も不要だろう。その中でこの試合ではアタッカー陣の働きに注目したい。前節・鳥栖戦は坂元 達裕がゴラッソを沈めてJ1初ゴールを記録したが、ここ4試合はFWにゴールが生まれていない。ここまでチームトップの2得点を挙げている奥埜 博亮に加え、都倉 賢や豊川 雄太、そして柿谷 曜一朗といった今季はいまだゴールがない攻撃陣に期待がかかる。昨季シーズンダブルを飾った湘南を相手に、桜のアタッカーたちの躍動は見られるか。
[ 文:林口 翼 ]
