まさに現在のJリーグで最も調子の良い両雄が激突する好カードになる。
G大阪はアデミウソンと小野瀬 康介を欠きながらも前節は神戸に2-0で勝利。守護神の東口 順昭がビッグセーブを連発し、プラチナ世代の宇佐美 貴史と小野 裕二が今季初のアベックゴール。2試合連続の完封勝ちに派手さはないが、攻守の歯車がガッチリとかみ合ってきた印象だ。
一方の川崎Fは7試合で20得点という破壊的な攻撃力とともに、相手をねじ伏せながら、連勝街道をひた走ってきた。
「選手層では一番厚いと思っている」と前節・湘南戦の逆転勝利後、こう胸を張った鬼木 達監督だが、一昨季のJ1王者の攻撃力はやはり際立っている。
かつて、G大阪と川崎Fは互いの攻撃力を前面にぶつけ合う“打ち合い”で好ゲームを演出してきたが、近年の構図は“しのぐG大阪、攻める川崎F”である。
過去2シーズン、不本意なJ1残留争いの中に身を置いてきたG大阪ではあるが、不思議と川崎Fに対して相性の良さを誇っている。宮本 恒靖監督の就任後、川崎Fに対しては2勝1分で負け知らず。勝利した2試合は、守備陣が踏ん張り無失点で川崎Fの攻撃陣を封じ込めてきた。
「今季は、もっとたくさん点を取りたい。お客さんを喜ばせたいので、そこにはトライしていきたい」とかつて表看板とした攻撃的なサッカーへの回帰に意欲を見せる宮本監督ではあるが、同時にこの指揮官は相手の良さを消しにかかることも忘れない。
基本布陣は3バックだが、横浜FMと清水に対しては4バックを採用し、勝ち切ってきた。
川崎Fの強力攻撃陣に対して宮本監督が送り出す布陣も必見だが、直近の2試合はベンチ外となっているアデミウソンと小野瀬の回復ぶりも試合に大きな影響を与えそうだ。
不透明な攻撃陣の顔ぶれとは対照的に計算が立つのは、2試合連続で完封中の最終ライン。とりわけ川崎F戦では圧倒的なセーブを見せる傾向がある東口は今節も小林 悠やレアンドロ ダミアンの前に立ちはだかるはずだ。
一方、クラブ新記録となるJ1・7連勝を目指す川崎Fにとっても、首位攻防の重要な一戦である。勝点は3差だが5点差以上で敗れない限り首位の座は安泰とはいえ、タイトル奪回に向けて、やはり勝ち切りたい戦いとなる。
好調を支えていた長谷川 竜也が左ひざ内側側副じん帯損傷で戦線離脱したのは痛手だが、それでも前線の顔ぶれと成熟した攻撃力に揺るぎはない。
神戸戦を前にした段階では「まだ上位争いをしている感覚はない。シーズンは始まったばかりなので」と控えめな言葉を口にした宮本監督だが、目指すのは当然5連勝。打ち合いか、それともロースコアの接戦か――。いずれにせよ、ビッグマッチになる気配が漂っている。
[ 文:下薗 昌記 ]
