ホームチームの大分は、新型コロナウイルス蔓延の影響による中断後の最初の3連戦を2勝1分と好調なリスタートを切ったものの、二度目の3連戦は3連敗と低迷。連戦の疲労が徐々に蓄積し、試合中のアクシデントで負傷者が続出するなどして戦力の選択肢が限られた中で苦戦を強いられた。交代枠が5枚に拡大されていることで、ベンチにも外国籍選手や代表クラスのプレーヤーが居並ぶ相手との“戦力格差”が浮き彫りになった形だ。
もとより個の能力の高いタレントを擁する相手に対し、組織で戦うことを標ぼうするチーム。だが、パフォーマンス優先でコンディションの良好な戦力へと入れ替えながらの連戦続きでは、肝心の組織の熟成がスムーズには進ちょくしづらい。戦術の特徴が明確なだけに相手からの対策もされやすく、そこから次の一手を繰り出すまでにはまだチームが成熟していない。リーグ戦の進むスピードも速く、負けが込んでしまった。
注目すべきは、ここからの立て直しだ。ここで崩れてしまってはズルズルと下降線をたどることにもなりかねない。前節終了後に小出 悠太が言ったように「自分たちの攻撃や守備のやり方をもう一度しっかり統一して、全員の良さを出していくこと」が求められる。チームは今節の鹿島戦に向けたトレーニングの初日に、いつもより長いミーティングにより、全員の意思統一を図った。
一方の鹿島は、今季からチームを率いるザーゴ監督の下、1勝1分5敗とこちらも苦戦中だ。中断を挟んで開幕から4連敗、第5節の横浜FM戦では本来のしたたかさを発揮して4-2と競り勝ったが、第6節は湘南に初勝利を献上。ただ、前節のFC東京戦ではCKから2失点して一度は逆転されながらも、その後に流れを引き寄せて同点に追いつくと、最後まで果敢に攻め続け、勝点1ながら今後に期待をつなぐ内容で終わっている。これまで強豪・鹿島を支えてきた遠藤 康や土居 聖真の存在感が光った一戦だった。毎年、スロースタートでも最終的には上位に君臨する“王者の風格”は損なわれない。
そんな相手を、片野坂 知宏監督も「時間がかかっても、徐々にザーゴ監督がやりたいサッカーと鹿島の伝統の戦術をうまくすり合わせながらフィットしてきている感じがある」と分析する。大分としては、速く強度の高い鹿島のプレッシャーをどうかいくぐってゴールに迫るか、そしてフィニッシュで仕留め切れるかが試されることになるだろう。
ナイトゲームとはいえ、天候によってはドームスタジアム特有の蒸し暑さも懸念される。互いに良好なコンディションで、アクシデントなく好ゲームを繰り広げてもらいたい。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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