清水としては、この試合でJ1通算1,300ゴール、J1通算400勝に王手をかけていたが、それは今節以降に持ち越しになった。逆に考えると、ホームのサポーターの前で一気に達成できるチャンスを得たと考えることもできる。誰がメモリアルゴールを決めるのか。そしてそのゴールから、どのように400勝に導くのか。清水としては、記録ずくめの試合にしたいところだ。
一方の横浜FMは前節、大分と対戦。ポルトガルのマリティモでプレーしていた前田 大然が、加入後初めての出場で、いきなり先発に入った。序盤は横浜FMが攻撃に出て、大分が守るという構図。31分には、その前田がGKと1対1の場面を迎えるが、シュートはふかしてしまい枠へと飛ばすことができない。40分には波状攻撃を仕掛け、最後は小池 龍太がシュートを放つが、ゴール左に外れる。
チャンスを逃すと、ここから大分が反撃に出る。その直後の42分に、大分の左サイド香川 勇気のクロスにファーで三平 和司が頭で合わせると、朴 一圭が辛うじてかき出す。この攻撃から何かをつかんだ大分が45分、51分と同じような形で伊佐 耕平が合わせるも、枠に飛ばすことができない。横浜FMは相手の精度に助けられていたが、68分だった。大分は自陣から1本の縦パスで、ハーフウェーライン手前で準備していた髙澤 優也が抜け出してラストパス。田中 達也が押し込み先制した。リードを許した横浜FMは攻撃のカードを切るも、決定機を作ることはできずにそのまま0-1で試合終了。
ディフェンディングチャンピオンの横浜FMは、昨季は10試合を終えた時点で5勝3分2敗だったが、今季は3勝2分5敗と苦しんでいる。ただ、攻撃サッカーを標ぼうする横浜FMにとって、調子のバロメーターでもある得点数は昨季と同じ14。攻撃陣は機能していると言えるだろう。ただ、それを勝利につなげることができていない。
両チームの指揮官にも注目が集まる試合になる。清水のピーター クラモフスキー監督にとって、指導者人生の多くをアンジェ ポステコグルー監督の下で働いてきた中で、師弟対決となる今節。志向するサッカーや、フォーメーションなども引き継ぎ、それを清水でどれだけ熟成させてきたか。“師匠超え”を果たすのか、それともまだ早いのか。指揮官同士がどのような手を打ってくるのかなど、見どころの多い試合だ。
[ 文:田中 芳樹 ]

