前節、鹿島のホームに乗り込んだ神戸は、安定したポゼッションを発揮し、序盤から良い流れで進行させていった。大﨑 玲央がスタメン復帰し、相手FWの枚数などで臨機応変に中盤にもポジションを取る可変的なシステムをリード。右ウイングに入ったリーグ戦初先発のルーキー、小田 裕太郎も右ウイングバックの西 大伍と好連係を見せ、期待の3年目・郷家 友太は後半に勝ち越しとなるゴールも決めている。
ただ、終盤は鹿島の猛攻にさらされた。それでもGK飯倉 大樹を中心としたディフェンスで1点のリードを保って時計の針を進めたが、勝利目前のアディショナルタイムに痛恨の被弾。そのため、中2日で迎えるこの試合は、疲労回復を主眼に置きつつ、メンタリティーを立て直すことも重要になるだろう。
失意のドローという結果となったが、「今日は若い選手、小田 裕太郎選手は初スタメンで本当に良い試合をしたと思うので、ポジティブなこともあった」とトルステン フィンク監督は鹿島戦後の記者会見で言及。連戦が続く中で、確かな収穫をつないで次戦に向かっていく気持ちを語っていた。
一方、アウェイに乗り込む柏だが、率いるネルシーニョ監督は2015年~17年8月まで神戸の指揮官も務めたJリーグを代表する策士。J2からの再昇格初年度となる今季はシーズン序盤こそ負けが続いたが、第5節から4連勝を飾るなど波に乗った。J1得点王レースでトップに立ち、リーグ戦6試合連続得点中のオルンガはむろん、江坂 任、瀬川 祐輔ら日本人アタッカーも魅力的で、その爆発力はリーグ屈指だ。
圧倒的な強度の高さが、そのスタイルの大きな特徴。激しくチャージし、タイトな守備でボールホルダーから自由を奪う。アグレッシブな守備でボールを奪えば、相手のスキを逃さずフィニッシュに持ち込んでいく。前節、上位対決だったC大阪戦は敗れたが、連動したプレッシングサッカーは強烈だった。
C大阪との試合後、ネルシーニョ監督は「選手たちはこちらが用意して入ったプランの中で、ボリューム、ポゼッション、フィニッシュと献身的に戦う姿勢を最初から最後まで見せてやり抜いてくれた」と高く評価。その上で、「敗戦という事実にはしっかり真摯に向き合った上で、先ほどロッカールームで選手たちにも、『今日の戦い方を続けていけばおのずと良い結果は訪れると思うので、しっかりと次節に向けて継続しながら準備をしていこう』と話した」といい、今節・神戸戦へ向けて気合いを入れている。
神戸が外すか、柏がつかまえるか。トルステン フィンク監督のマッチプランが試合を支配するか、はたまた、ネルシーニョ監督のオーガナイズが敵陣を蹂躙するのか。上位追撃へ勝点3が欲しい両者の対決は、心身両面でインテンシティーの高い激闘が見られそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
