5日に駅前不動産スタジアムで行われる明治安田J1第14節は鳥栖にとって約1カ月ぶりの公式戦となる。8月10日に金 明輝監督の新型コロナウイルス感染症の陽性反応が判明すると、その後、選手、スタッフにも多数の感染が明らかになり、クラスター(感染者集団)が発生。トップチームは11日から活動を休止し、リーグ戦4試合が延期された。26日から活動を再開したものの、今節までの準備期間は10日間。選手たちは厳しいコンディション調整を強いられる形となっている。
そんな鳥栖と相対するのは横浜FCだ。2007年以来のJ1の舞台で戦う“HAMA BLUE”はここまで4勝2分7敗。勝点14で13位につける。クラブにとって初のJ1となった07年はシーズンを通して4勝に終わったが、チームはすでにその勝利数に並んでいる。第10節からは3連勝を記録するなど、昇格組ながら確かな存在感を放っている。最終ラインからしっかりとボールをつなぎ、攻撃を組み立てながらスピード豊かなサイドの選手たちを生かす攻撃的なスタイルはJ1の舞台においても十分に通用している。特にチーム最多の4得点を挙げている松尾 佑介やそれに次ぐ3ゴールを挙げている一美 和成、斉藤 光毅と若いアタッカー陣がチームに勢いをもたらしているのが印象的だ。前節、C大阪に敗れ、連勝は3でストップしたもののチームとしての屋台骨は強固なものになっている。
両者は今季すでに一度対戦している。JリーグYBCルヴァンカップCグループ第2節で顔を合わせており、その際は横浜FCの瀬沼 優司が終了間際に決勝点を奪い、1-0で勝利している。鳥栖にとっては同じ相手にホームで連敗するわけにはいかない。ただ、懸念されるのはやはりコンディションだ。2週間、チームとしての活動ができなかった中で10日間の準備期間でどれだけ体力を戻すことができているか。そして、公式戦の強度に耐えうるだけのコンディションを整えることができているのか。鳥栖にとっては戦術面よりもまずはコンディションがカギを握ることになる。
また、新型コロナウイルスに感染した金 明輝監督をはじめ、選手・スタッフは退院後、自宅隔離の措置が取られた。その後、クラブからのリリースはないが状態次第では指揮官不在や選手の欠場の可能性もある。それでも、主将の小林 祐三は「少し頑張ったり、少し意識を変えることで、これからサガン鳥栖が前に進んでいけると思っています。こうなってしまった以上、この状況に僕は期待しています。選手やスタッフがここから何ができるのかを自分も含めて、あらためて考え直したいと思いますし、良い準備をして監督を安心させたい」と前向きに語っている。
「自分たちは次の試合に向かっていくのに言い訳するつもりはありません。負けるつもりも毛頭ない」(小林) どんな状況にあっても目指すのは勝利のみ。リーグ戦の舞台に戻ってくる鳥栖が今季2勝目をどん欲に奪いにいく。
[ 文:杉山 文宣 ]
