神戸がようやく歓喜に酔いしれた前節。22日にトルステン フィンク監督の退任が発表された翌日の試合となったが、ホームでは明治安田J1第5節・清水戦以来、およそ2カ月ぶりとなる勝点3を獲得。暫定監督を務めたアシスタントコーチのマルコス ビベス氏は「今日は勝つことが大事でした。今までの流れを断ち切るということが一番必要なことですので、われわれはそれを達成できたと思います」と話し、久しぶりの勝利をかみしめた。
その試合では、司令塔のアンドレス イニエスタが自らのゴールも含めて全4得点に絡む圧倒的なパフォーマンスを披露。チームのトップスコアラーである古橋 亨梧は2得点を挙げて計8得点とし、得点ランキングで7位タイにつけるなど結果を残した。
長かった低迷期を抜け出すチャンスを手繰り寄せた神戸だが、得点力を発揮した一方で、3失点と課題も出たのが実際だ。立ち上がりから相手にポゼッションで優位に立たれ、寄せの遅れや集中力の欠如などが災いして失点を重ねている。勝ったと同時に改善点も明確になった90分とも言えるだろう。
鳥栖戦を皮切りに神戸はホームゲーム3連戦となっており、その初戦を勝利した中で、この札幌戦は今季初となる連勝が懸かった試合。厳しい連戦の最中、選手個々のコンディションは最大の関心事となってくるが、ピッチに立つ選手は強い意志と向上心をしっかりと体現することが大切だ。24日に就任が発表された三浦 淳寛新監督とともに上昇モードに乗るためにも、この3連戦をポジティブな結果とともに乗り越えたいところ。
一方、札幌も今季は苦しいシーズンを戦っている。序盤戦こそJ1第7節まで3勝3分1敗とまずまずの滑り出しを切ったものの、勝点の獲得において厳しい流れに陥るきっかけになったのは今節対峙する神戸との第8節。その1つ前の第7節、昨季J1王者の横浜FMに対して実行したマンツーマンのプレッシングサッカーを継続し、神戸のビルドアップを巧みに制限したものの、最終的には2-3で押し切られてしまった。
この神戸戦の敗戦を含めて2分7敗と勝利に見放される時期が続き、9月16日の鳥栖戦で10試合ぶりに勝利。ようやく泥沼を脱出したかに見られたが続くG大阪戦、前節・柏にも破れて連敗。札幌とすれば、この神戸戦で負の循環をせき止め、上昇の流れをつかみたいところだろう。試合内容的にはポジティブなところもあり、ペトロヴィッチ監督は「気持ちを折ることなく続けていく。継続は力なりということを強調していきたい」と選手を力強く鼓舞している。
前回、J1第8節の対戦を振り返ると、前述のとおり札幌が神戸のバックラインに対してマンツーマン気味のプレッシングを敢行。神戸はGK飯倉 大樹が数的優位を作ることでプレスを外す戦術を実行したが、試合の流れは守備から攻撃を仕掛けた札幌が握り、荒野 拓馬が先制ゴール。ただ、神戸は前半のうちに山口 蛍、ドウグラスのゴールで逆転に成功。後半早々に荒野が同点弾を挙げるも、山口のゴールで突き放したが神戸に勝利の凱歌が挙がっている。
[ 文:小野 慶太 ]
