横浜FMは柏戦で20本のシュートを放ったものの、GKの好守と決定力不足が要因でノーゴールに終わった。セットプレーで喫した失点が重く、多くの決定機を逃した内容で、試合後にはエリキが涙を見せるなど、少なからずショックが残りそうな敗戦となってしまった。
一方、神戸戦に続いて採用した可変的な[4-3-2-1]は機能している。神戸戦でも26本のシュートを放っているように、横浜FMが理想の1つに掲げる“ゲーム支配”の様相は以前よりも強まっており、あとは結果さえ出れば、自信を持てるフェーズにまでは達していると言える。
ただ、そのシステムの継続には中2日で迎える連戦がネックになる。8月15日の明治安田J1第9節・大分戦を皮切りに始まった連戦中、横浜FMは運動量の多いサイドプレーヤーをローテーションしていたが、直近2戦では両SBの小池 龍太とティーラトンがともにフル出場した。連戦でも厳しさが増す中2日が連続しており、実質2日間足らずの休養では疲労が抜け切らないのは明白だ。ただ、2人に代わる右の松原 健と左の高野 遼は9月の試合中に負傷したため欠場する可能性が高い。SBの経験者は今季ボランチ起用が続く和田 拓也以外は見当たらず、フレッシュなウイングバック候補がいる[3-4-2-1]に戻す可能性も十分ありそうだ。
一方の大分は12位ながら、9月以降は5勝1分2敗と明らかに復調傾向にある。その5勝のうち、上位のFC東京や鹿島、それに仙台から積み上げた3勝はいずれもアウェイ戦と、敵地で無類の強さを見せている。今節はアウェイでの今季5勝目を目指す戦いとなる。
チーム状況に目を移すと、前節・清水戦について片野坂 知宏監督が「90分間集中を切らさず、勝ちに値するゲーム」と評したように充実の一途のようだ。その清水戦では途中出場の野村 直輝、町田 也真人が決勝点に絡むなど、指揮官の采配も冴えを見せる。
前回の昭和電工ドーム大分での戦いを振り返れば、横浜FMのアンジェ ポステコグルー監督に「今季一番良くないパフォーマンス」と言わしめた完勝だった。一方、「横浜FMさんは特殊な攻撃、守備の狙いが明確で、(大分にも)攻守の狙いがあった中でよくやってくれた」と振り返ったのは片野坂監督。その狙いとは両SBの裏のスペースを活用したサイドの揺さぶりだったのだが、当時といまの横浜FMの立ち位置やシステムは変化しており、狙いどころも変わってくる。王者相手に知将がどのような策を用意してくるのかも見どころの1つと言えそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]
