2019年の明治安田J1第10節にエディオンスタジアム広島で行われた一戦は、仲川 輝人の得点が決勝点となり1-0。ニッパツ三ツ沢球技場で対戦した同年第26節は67分に仲川が均衡を破り、ティーラトンとエリキが得点を重ねて3-0。そして2カ月前の日産スタジアムでの試合は3-1。前半終了間際にマルコス ジュニオールが先制点を挙げると、後半に広島はレアンドロ ペレイラの得点で同点に追いついたが、ジュニオール サントスのパワーが広島の守備陣を打ち破り、終了間際にはエリキが加点して横浜FMが勝利している。
アンジェ ポステコグルー監督体制が始動した2018年は城福 浩監督が指揮を執る広島にホームでもアウェイでも敗れているが、チームの成熟度が高まってきたと同時に横浜FMが広島を上回っている。
というのが、近年の今カードのストーリーになっている。広島としては今節、エディオンスタジアム広島で意地を見せたいところだが、どんな試合が繰り広げられるだろうか。10月に入った2チームの戦いぶりを見ていくと、好ゲームになりそうな予感が漂う。
広島は10月に行われたここまでの5試合を3勝2敗。川崎Fの進撃を止められずに0-2で敗れ、直近では鹿島に0-1で屈しているが、どちらの試合も自分たちのやりたいことの多くが表現できており、決してうつむくような内容ではなかった。「前半からしっかりオーガナイズされて、守備も攻撃もしっかりバランスよくできていたと思うので、後半の勝負どころであの1本でやられたな、という印象です」。鹿島戦を振り返った青山 敏弘のコメントからも、それはうかがえる。
「良い形を多く作れているので、あとは(失点)ゼロの時間を長くして、決め切るところを決め切るしかないかなと思いますし、(チャンスの)回数はもう少し多く作れたんじゃないかなと思います。単純なミスが多かったし、そういうところだと思います」。野上 結貴のコメントからは、追求すべきことがディテールであることが分かる。一人ひとりがさらにプレーの質にも判断の質にもこだわって戦っていければ、結果も必然的に伴ってくるはずだ。
横浜FMは10月をここまで3勝1分2敗で過ごしてきた。川崎Fに次いでリーグで2番目に得点数の多いチームは、直近の第28節でFC東京を4-0で蹴散らして広島に乗り込んでくる。23日にGK高丘 陽平を鳥栖から完全移籍で獲得し、25日にはGK朴 一圭が鳥栖へ期限付き移籍したことが発表された。AFCチャンピオンズリーグもにらんでシーズン終盤に突入しているが、昨季の王者としてリーグ戦でもしっかりと力を誇示していくに違いない。
前半戦の日産スタジアムでのゲームは攻守が目まぐるしく入れ替わるアップテンポなゲームが繰り広げられ、選手交代によってさらにパワーアップした横浜FMが勝利をつかみ取っている。連戦の中で迎える今節、ベンチワークも勝敗のカギを握る重要な要素になるだろう。
[ 文:寺田 弘幸 ]