上位対決となる“大阪ダービー”。勢いはG大阪にある。直近の10試合で9勝1分。いずれも僅差のゲームが続いているだけに、勝負強さが際立つ。攻撃ではセットプレーもうまく生かしてゴールに迫り、守備ではGK東口 順昭の奮闘が光っている。前節の札幌戦でも先制されたが、すぐに井手口 陽介のゴールで追いつくと、後半にFKからパトリックがヘディングで決めて逆転に成功。終盤には連続してピンチを迎えるもゴールは割らせず、勝ち切った。“秋に強い宮本ガンバ”の本領を発揮している。
反対に、ホームのC大阪は直近の10試合は5勝5敗と足踏みが続いている。第23節の横浜FM戦では攻守にコンセプトを発揮して快勝を収めるも、鹿島、FC東京、川崎F、名古屋と上位相手にいずれも敗戦。内容は悪くない試合も多いが、勝負強さといった点で課題が残る結果となっている。直近の浦和戦も含め、敗れた5試合は際の勝負で劣る姿も見られているだけに、今節はスローインからの流れやセットプレーのこぼれ球など、細部に及ぶプレーも含め、スキを見せない戦い方を徹底したい。
また、ただでさえ激闘必至の“大阪ダービー”だが、今節は順位争いの観点でも、その勝敗が重要な意味を持つ。コロナ禍の影響により今季の天皇杯は試合数が限られ、J1からはリーグ1位と2位のみが出場できる。現在、首位の川崎Fは抜けているが、2位を巡る戦いは熾烈であり、今節の“大阪ダービー”は、2位をつかむため、タイトルにつながる一戦でもある。
選手たちの負けたくない思いの強さ、サポーター同士の迫力において、国内最高峰の熱量を持つ“大阪ダービー”。リーグ前半戦は中断明けの再開初戦で実現しており、当時はリモートマッチとして行われた。ただし、現在は徐々に入場者数も緩和されており、今節は2万人に近い観客で埋まることが予想される。アウェイ席も解放されたことで、青黒に身を包んだサポーターもヤンマースタジアム長居に押し寄せるだろう。依然として声援こそ送れないが、熱い大阪ダービーの姿が戻ってくる。
好調を維持するG大阪は、終盤に向けてさらにはずみをつけるために。リーグ後半戦は波に乗り切れていないC大阪としても、この一戦を終盤への起爆剤とするために。どちらも勝利のみを目指して戦う、節目の“大阪ダービー”となる。
[ 文:小田 尚史 ]