長かった15連戦が前節で終わった鳥栖だが、中盤以降は勝利から遠ざかっている。前節はホームに湘南を迎えた中、二度先行される展開で二度とも追いついたが勝ち越すことはできず、勝点1にとどまった。15連戦中はケガ人も多発し、コンディションの回復中心となったため、戦術的な修正に多くの時間を割けなかった。今節は前節から1週間弱の準備期間があったが、金 明輝監督は「失点がかさんでしまった。大事な場面で基本がブレてしまっていた。良い守備から良い攻撃というのが自分たちのスタイル。ボールを持っているからとかボールを動かしているからではなくて、良い守備でしっかりリズムを作って、高い位置からプレスを掛けてゴールに向かいたい」と今節に向けた取り組みを語っている。
一方の名古屋は前節、アウェイで鹿島と対戦。開始早々に金崎 夢生のPKで先制すると、局面で激しいデュエルが繰り広げられる展開でも集中を切らさず。終了間際にはマテウスが追加点を挙げ、堅守の名古屋らしい勝利を手にした。2連敗のあとに2連勝。AFCチャンピオンズリーグ出場権争いにおいて少し暗雲が立ち込めていたが、自分たちの力で振り払ってみせた。とはいえ、2位争いのライバルであるG大阪やC大阪と比べて、消化試合数が1試合多いだけに息をついている暇はない。アウェイ連戦となるが3連勝を期して鳥栖に乗り込んでくるだろう。
このゲームにおけるトピックを両チーム1つずつ挙げれば、鳥栖は新守護神の加入。名古屋はマッシモ フィッカデンティ監督の存在だろう。鳥栖は10月23日に高丘 陽平が横浜FMへ完全移籍。今季最もゴールマウスを守った守護神の移籍は痛手となったが、25日にその横浜FMから入れ替わる形で朴 一圭が期限付き移籍で加入することを発表した。金 明輝監督は「期待するのは発信力。勝つために行動を起こせる選手を求めていた。ウチにいま一番足りないものを持ち合わせている。当然、GKとしての資質、ポテンシャルも評価している」と話せば、朴 一圭も「自分の良さはうまさや技術的なところではなくて、メンタル的なところ。横浜FMでも人がやりたくないようなことをやって輝けた。だから、鳥栖でもプレースタイルもさほど変えずにプレーできる」と自信を示した。
そして、名古屋を昨季途中から率いているマッシモ フィッカデンティ監督は2016年から約3年に渡って鳥栖を率いていた。名古屋では鳥栖と二度対戦しているが、いずれも名古屋ホーム。今節がかつてのホームスタジアムでの初対戦となる。過去二度の対戦では1勝1分、今季の対戦は1-0で勝利を挙げている。鳥栖では成績不振で退任となっただけに、鳥栖にとっても、マッシモ フィッカデンティ監督にとっても、さまざまな思いが去来する試合になるだろう。
鳥栖は攻撃的な守備を取り戻し、堅守の名古屋を打ち破れるか。それとも、名古屋がはね返すか。激戦必至の一戦だ。
[ 文:杉山 文宣 ]
