清水戦以降に柏の状況が一変した。第26節・仙台戦を翌日に控えた11月2日に選手1名の新型コロナウイルス感染症の陽性反応が判明すると、3日にはネルシーニョ監督含めてスタッフ2名の陽性が発表され、4日には集団感染が起きていることが判明。合計選手5名、トップチームスタッフ11名と16名の感染が確認された。そこからチーム活動は休止となり、全体練習はストップ。リーグ戦2試合だけでなく、7日に予定されていたJリーグYBCルヴァンカップ決勝が延期になるなど、不安な日々を過ごした。
それでも、70歳のネルシーニョ監督をはじめ重症者が出ることはなく、順調に回復。18日からチーム活動を再開し、急ピッチで鳥栖戦に向けて準備を進めている状況だ。そんな中、19日に取材に応じたネルシーニョ監督はすっかり元気になった表情でこの試合と残りのシーズンに向けての自信と意気込みを語ってくれた。
「活動初日を見ても選手一人ひとりがチームのために戦う姿勢をしっかり保ってくれているし、今まで以上に高いモチベーションを持ってトレーニングに励んでくれている。そういう選手を見ることができて非常にうれしい。今までやってきたことと何も変わらず、やることは選手もしっかり理解してくれていると思う。個人としてもチームとしても可能性がある限りは、最後まであきらめることなく戦う姿勢を見せたい」 シーズン終盤のラストスパートに入ろうとした矢先に起こった思わぬアクシデントを乗り越えて戻ってきた柏。再開初戦で誰がピッチに立つか分からない部分も多いが、チーム一丸となって戦い、勝利をつかみたい。
一方の鳥栖は現在6試合負けなし。その内の5試合が引き分けと勝ち切れないゲームが目立つが、内容としては充実したゲームが続いており、チーム状態は良さそうだ。さらにここに来てブラジル国籍FWのチアゴ アウベスが調子を上げてきている。加入直後はケガに泣く時期もあったが、現在は2試合連続ゴール中。まだまだピッチに立つ時間は短いものの、攻撃を引っ張っている。
そして何より、鳥栖は8月に新型コロナウイルスのクラスターを経験。約1カ月公式戦から遠ざかっていた。そこから9月に公式戦の戦いをスタートさせると、最初の3試合で2勝1分の好成績を残した。今回の対戦相手である柏の辛さや苦労、再開直後のゲームに懸ける思いの強さを分かっているだけに、油断やスキを持ってピッチに立つことはないだろう。
この状況下でもサッカーができる幸せと、試合を戦える喜びを知る両チームの対戦は好ゲームになること間違いない。
[ 文:須賀 大輔 ]
